人が決めた一年という区切りに、たとえ時の境目はなくとも、その特別な刻は暖かな「あたりまえ」をもたらしてくれる。

　屋根より高い、こいのぼり 　おおきな真鯉はお父さん。 　小さな曾鯉は子どもたち。 　真っ青な空に映える鯉たちに、私たちは何を思うのだろう。 　こいのぼりって、私といっしょ？…

　前回まで公開していた『新聞配りの少女』とはまったくもって内容は異なります。 　と、いうか、タイトルさえ思い浮かべば早急に変えるつもりですしね。 　もっさりした空気感を払拭するた…

　中学二年生の荒木田沙良は、長距離走の次期エースとして注目を一身に受けていた。夏休みも中盤に差し掛かり、陸部もお盆休みに入った頃、沙良はいつものランニングコースで元部員、半田丈明…