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近世ヨーロッパのガワを被ったファンタジーが中世ヨーロッパ風と言われる理由について

「ビジュアル図鑑中世ヨーロッパ」というタイトルだけでは他と被りそうな本を読んでいるのだが(新星出版社の本)そこでアーサー王伝説やローランの歌、北欧神話などの有名でファンタジー作品の下敷きになったモチーフが中世には成立していたことが解説されていた。
しかし、それらを一般に広めたのは題材を中世の伝説にとった近世以降の作品(たとえば北欧神話にとってのニーベルンゲンの歌)とも説明されている。
そもそも中世の段階では民衆にリーチするメディアは未発達であろう。大衆に流布した近世以降の作品を通して、中世に生まれた伝説を見てしまったことで、我々のイメージが近世の姿で固定されつつ分類としては中世になってしまうのは仕方ないのではあるまいか。
そもそも近世(どころかつい最近まで)の人間が、過去の人物を自分の時代の姿で描写して何の疑問も感じない人たちだった。ごく一部には考証にうるさい人もいたかもしれないが。
つまり中世ヨーロッパの姿を見間違えていると第一に批判されるべきは近世の祖先たちだと思わないでもないんだよ。当時は情報が乏しかっただろうし(だから暗黒時代だし)、それを現代人が修正できないのも悪いのかもしれないが。

というほど近世に成立した普及版作品が中世ヨーロッパ風を謳う近世ヨーロッパ風作品を書いている人に見られているかも疑問ではある。自分は……「ビジュアル図鑑中世ヨーロッパ」は今読んでる!ドヤッ

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