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メリークリスマスSSだよ

血の鏡(カクヨムコン版)から瞬くん
https://kakuyomu.jp/works/16817330668125761595

セブンスター・シンドロームから美月くん
https://kakuyomu.jp/works/16817330668162980402



 惣山作品の先輩が来るからと僕はゴミをまとめてビニール袋に入れきつく縛り、珍しく部屋の換気なんかもして、その時間になるのを待っていた。
 現れたのはやっぱりというかなんというか瞬くんで、初対面ではあったけれど、彼の蛮行は未公開部分も含めて知っているので、懐かしいようなそんな気分になった。

「美月くん、ケーキ買ってきたよ」

 確かに今日はクリスマスイブ。しかしこうして祝うなんて初めてのことだ。僕の家にはサンタクロースなんてきたことがない、知らないオッサンという意味では母親の愛人が始終出入りしていたのだが。

「ありがとう、瞬くん」

 しかしうちには包丁がない、フォークならあったので、チョコレートのホールのそれを瞬くんと二人でざくざくと直接食べた。その後はもちろん一服だ。

「そうだ。美月くん、セブンスターも持ってきたから一回やらせてよ」
「いや、僕もうそういうのやめてん」
「ええ……せっかく関西の掃き溜め小屋みたいなクソオンボロヤニカスアパートまで来てやったのに……?」

 意外と口悪いなこの人。僕はさっさと出ていってくれないかなぁと目を細めて瞬くんを睨んだ。すると、彼はこう言った。

「あっ、そっち使ったことないんだよね。童貞奪ってあげるよ」
「いや、それはあかん、僕の総受けとしてのキャラクターが崩壊する」
「ねえねえいいでしょ、どうせここの近況ノートなんて一部しか見てないし」
「あかんって」

 吸い殻を放り投げた瞬くんは僕に馬乗りになってきた。強っ。力強っ。顔面ハムスターなのに腕力ゴリラとか聞いてない。

「瞬くんマジやめて」
「こっちも気持ちいいのに……」
「両刀使いこわいわほんまに」

 僕だってキャラクターは死守したいので必死だ、でも殴ったらやり返されそうなので、それはせずに肩を掴んで顔を近付けさせまいと突っ張った。

「じゃあさー美月くんキスだけでいいからさー」
「それが嫌やねんて、僕の話ちゃんと読んでくれた?」

 結局押しに負けて尻を差し出したのだが、これで総受けフェスタには参加できるし確かに巧かったのでこれはこれで良しとする。

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