血の鏡(カクヨムコン版)より伊織
https://kakuyomu.jp/works/16817330668125761595セブンスター・シンドロームより蒼士
https://kakuyomu.jp/works/16817330668162980402 瞬が関西まで出掛けて行った。俺は関西から来る奴を待っていた。どうせ……あいつだろうな。
「こんにちはぁ、蒼士です」
玄関を開けると、ヒョウ柄のロングコートを着たサングラス男が立っていた。こいつがそうか。
「まあ、あがりなよ」
俺はリビングに蒼士を通した。彼のために多めにクリームシチューを作っていてそれをふるまった。
「伊織さん、めちゃくちゃ美味しいです!」
「だろ?」
一人暮らし歴は長い。料理にはそこそこ自信があった。さて、せっかくだから先輩風を吹かせつつ彼らのことを聞いてみるか。
「美月くんとはどうなの?」
「順調っす、順調。この前セブンスター五カートン買って行ってタワー作りました」
「楽しそうで何より」
気になるのは蒼士が果たして美月くんにどこまで本気かということだ。彼は部屋に入ってもサングラスをかけたままなので表情がまるで読めない。
「美月くんのこと大事にしろよ、さもないと殺されるぞ」
「実際殺された人が言うと重みが違いますねぇ」
「いや俺は愛された上で殺されたから。まぁあのエンドはふざけんなよって感じだけど」
血の鏡【旧版】も公開からけっこう経ったのでネタバレでした。いつかゾンビ化して瞬を襲いに行こうと思っている。そんなことより蒼士のことを聞きたいのだが、あちらから質問された。
「伊織さんは瞬さんのどこが好きなんすか?」
「えー? とにかく可愛いだろ。いい匂いするし。カクヨムコン版の蛮行はともかく基本的には素直で優しいし。あっ、この前さぁ……」
そんなこんなで、瞬の自慢話ばかりしていたら、蒼士のことは結局聞けずじまいで終わってしまった。