木村　瞭　

　愛の現れ方は一様ではなく、愛は千差万別、千変万化、様々な軌跡を辿る。 　愛は人間の根源的感情として普遍的であり、人格的な交わりを可能にする。それは肉体的な愛から更に真理へ至ろう…

　人生における危機の瞬間や愛とその不在、都会の孤独や忍び寄る過去の重みなど、人生の時の瞬を鮮やかに描いた孤独と喪失に彩られた物語。 　この物語には、細やかなドラマを生きている人間…

　人生における一期一会の出逢いと別れを特集する短編集。 人生の一時期や一生に一度の機会に於ける巡り合いや別れ合い。 忘れ得ぬ記憶の中から鮮明に蘇えるあの人この人、あの一コマこの…

　どんなに奔放自由な青春であっても、底辺には一抹の憂愁が沈殿している。強烈な自我に基づく自己存在感への渇望が沸々と在る。人生とは？生きるとは？愛とは？性とは？死とは？自己とは？自…

　人生には後戻りの出来ない決断や覚悟や行動が在る。独立、転身、転生、再生、再出発などなど、それは将に人生の時の瞬なのである。 　ルビコン川は古代ローマ時代にガリアとイタリアの境に…

　人生には後戻りの出来ない決断や覚悟や行動が在る。理由や動機はそれぞれ違っても、独立、転身、転生、再生、再出発などなど、それは将に人生の時の瞬なのである。

　やさぐれ同心、錺簪師、お庭番、酌女、女渡世人・・・ 武士も町人も、不器用にしか生きられない男と女。男が呻吟し女が慟哭する・・・ 剣が舞い落花が散り・・・時代小説の愉しみ

　愛は千差万別、千変万化、愛の表れ方は一様ではなく様々な軌跡を辿る。 愛は人間の根源的感情として普遍的であり、人格的な交わりを可能にする。それは肉体的な愛から更に真理へ至ろうとす…

　四月一日午前九時、大卒新入社員達は皆、眦を吊り上げ頬を紅潮させて入社式に臨んでいた。研修期間中は互いの間に競争は無く、彼等は急速に仲良くなって行った。そして、半年後、思いを新た…

　切り詰めた表現が描き出す奥深い人生の形。 人生の悲喜交々が凝縮された超短編ならではの心震える物語の数々・・・ 映画のラッシュを観るようにテンポが快適で、中味が濃く、読み出したら…

「これを私の心だと思って持って行って下さい」 あぁ、これでもう、生涯、この人と巡り逢うことは無いのだ！ 単身赴任のビジネスマンとおばんざい屋の女将の哀切の出逢いと別れ・・・

　魅了、過ち、盲動、裏切り、復讐、失愛・・・男を魅了する危うげな女たちの危うげな愛と性の彩物語

　妻も娶らず家庭も持たず、生涯に亘って一人の女性を愛し続けた初老の男の孤独な死。その強靭な志と孤高の矜持・・・

「お前たちは二人足してやっと一人前だ。何方かが欠けたら店は無いものと思ってやって行け」 親方にそう言われた割烹店の店主とその妻だけでなく、人は誰しも一人では不完全な半人前である。…

「わたし、中絶手術をしたの・・・」 「そんな、お前・・・」　 幼友達が不倫の恋と妊娠中絶に傷ついたのを知って、長年の自分の愛を彼女に告げる男の真実と誠・・・

「人生で掛け替えの無いものが何なのか、解かったんだ、やっと！だから帰って来てくれよ！」 愛の原点回帰の物語・・・

　アラサーの晩熟な手芸師が、幼い頃暮らした中国への思い出ツアーで、結婚早々に妻に死に別れた大学の助教と出逢って、真実の愛に心ときめかす晩熟の恋・・・

　夫は彼女を愛したことは無かったのだ！由紀江の全身の血が歓呼した！ 昔の同級生から彼女の夫の再就職世話を頼まれたのを機に、自分の夫が嘗て彼女の恋人だったのではないかと苦悩する若い…

　事故で骨折した彼女の難手術に、二度までも自分の骨盤の骨を削って彼女の足首に埋めてやる真実の男の誠の愛・・・

　白人主義が席巻するブルームで、命を賭けて海に潜る日本人潜水士が、愛し合った原住民の女性と共に人種差別と闘い乍ら真珠の養殖とジュエリー制作に挑む・・・

　ボクサー崩れの用心棒とカトリック教徒のクラブ歌手。 愛する女の乳癌治療の為に警察の犬になった男は、組織の追跡を逃れてドサ廻りの旅から旅へ・・・女の死の末期に一目逢いに戻ったが・…

　週に二回、シティホテルに昼食を摂りに来る有名な老いた大女優・・・ 「やあ、アヤ」 低い声が彼女の耳を打った。 「綺麗だね、相変わらず」 彼女は声も無く彼の胸に顔を押し付け乍ら思…

夫の度重なる浮気に妻と女の性の間で懊悩する長女、新婚の蜜月の後の心の隙間に思わぬ不倫を犯す三女、一人の男を共に愛して恋のさや当てをする次女と四女・・・女の盛りは桜の花の如くに短い…

　女子プロ野球選手の由香は、引退後、米国で心理学を学び、日本の男子プロ野球界で唯一人の女性コーチとなって、金やステータス等の自分の為だけにする野球ではなく「チームの為に、仲間の為…

　思春期から大人へと向かう青春の一時期、それは驟雨の如くに激しく、強く、そして、短い。が、男であれ女であれ、人はその時期に大人への確たる何かを、喪失をも含めて、獲ち得るのである。

　バーテンダー嶋木がクラブ「純」のカウンターから、常連客や一見客、純子ママやオーナー岡林、同級生の孤児遼子や庭師後藤、印刻師菅原等の人生模様を自らの生と重ね合わせて綴る挫折と喪失…