こんばんは。
いよいよ最終回のお題発表です。
ここまで長かったような、振り返ればあっという間のような。
とくに今回はインターバルも長めにとったので、いろいろと思うところもあるでしょう。というか、予想以上の難易度にいろいろとてこずったことと思います。
ということで、次の水曜日の7時あたりでお題を投稿の予定です。
今回は『💐涼月』さんにお題パートを書いていただきました。
涼月さんの魅力はなんといってもその文章力と作品の多彩さ。ちょっと変わった切り口の話も、その文章力でどんどん読ませてしまう。いろんなジャンルを書きつつも、作品ごとにまるで違った魅力を見せてくれる。引き出しの多さのせいか、興味を持つジャンルの広さのせいか、とにかく書くことを目いっぱい楽しんでいるのが伝わってきます。そういう作家さんの作品は読んでいても楽しいものです。
ということで最後のお題です。
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藤野 真澄様
突然のお手紙失礼いたします。
私は高瀬 千重子の娘(息子)で、高瀬 奏と申します。
三十年以上も前のことになりますので、覚えていらっしゃらないかもしれませんが、先日亡くなりました母、千重子がお借りしたまま返せなかった『茶掛《ちゃがけ》』を、貴方様に返却して欲しいと言い遺しましたので、大変不躾ではございますがご連絡させていただきました。
『和顔愛語《わげんあいご》』と書かれた掛け軸は、私が幼き頃より、我が家の玄関に掛けられておりました。毎朝、目の端に捉えつつも、茶道や禅語に疎い私は興味を持つことはなく、母にその真意を尋ねることもありませんでしたし、母も語ることはありませんでした。
ですから、どのような事情で母がこの掛け軸をお借りし、なぜ今になって私に返却を託したのか。一切わからぬままに、貴方様に文をしたためることが果たして良いのかどうか、とても迷いました。
ただ、母一人子一人、肩寄せ合って生きてきたなかで母が私に頼み事をしたのは、後にも先にも今回が初めてでした。そんな母の願いを無下にもできず、甚だご迷惑なことと思いつつ、こうしてお尋ね申し上げた次第です。
もし差し支えなければ、経緯などをお教えいただけたら幸いです。
でももし、そのままにして欲しいとお望みでしたら、この掛け軸は私の方で大切に保管させていただきます。
お手数をおかけして申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
高瀬 奏
※茶掛とは、茶室の床の間に飾る掛け軸のこと。
今回は、母親は『茶掛』と言ったけれど、実際にはお茶席では無く玄関に無造作に飾られていただけ、という設定です。
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※そして本人からの連絡事項
差出人の名前や性別は自由に変更して大丈夫です。もちろん、改編もです!
とのことです。
さぁ、どんな返信を書きますかね?
わたしもこれから考えます(笑)