• 異世界ファンタジー
  • エッセイ・ノンフィクション

居酒屋こぼれ話3 五万PVありがとう記念SS

 ご、ゴマン?五万PV??
 小心者なのでとてもびっくりしてます、たくさん読んでいただきありがとうございます。
 コメントも楽しく拝見してます!本当たくさん読んで頂きありがたいです!
 まだまだアデルハイドたちのお話は続きます、これからも暖かく見守って頂けたら嬉しいです。

 ささやかながらお礼がわりのSSです。
 肴ではなくたまにはしっかりしたご飯を作るアデルハイドの日常から一コマ。
 時期的には年末年始の予定全てが終わったある日のショートストーリーとなります。


悪役令嬢の居酒屋 番外編

五万PVありがとう記念
「ローストビーフ丼」

 年が明け今年初めて居酒屋「花結び」に足を踏み入れたアデルハイドは公爵邸から着いてきたフェリクスと共に店内の換気をしてからいつも通りにカウンターの中へと入った。
 いつもと違うのは着物と割烹着ではなく簡素なワンピースとエプロンという姿ぐらい。
 市場への挨拶回りを兼ねた市場調査を終えて手にした牛肉のブロックを調理場へと持ち込んだ。
 「歩いたから疲れたんじゃないか?」
 気遣うフェリクスがカウンター席に座りながら差し出したお茶を飲む。
 前世の日本的な湯呑みで緑茶を飲む金髪青い目のフェリクスの姿にアデルハイドはつい表情を緩めた。
 この後は夕方まで特に予定がない、ならば普段よりしっかりとじっくり時間をかけた昼食も悪くないだろうと牛ブロック肉の調理に取り掛かった。

 ブロック肉にオリーブオイルを塗りすりおろしたニンニク、塩胡椒、すりおろした玉ねぎを擦り込むように揉んでいく。
 下味が付いたら熱したフライパンに油をひき強火で焼き色がつくまでブロック肉を焼いていく。
 焼き色が付いたブロック肉をオーブンの天板に置き、付け合わせのにんじんや玉ねぎ、ジャガイモを並べて予熱をしておいたオーブンに入れてじっくり焼いていく。
 その間に白米を炊き、温泉たまごを作る。
 温泉たまごは鍋に沸かしたお湯に火を止めたまごを入れて蓋をして待てば良いので楽に作れる。
 小口切りのネギと細い千切りにした大葉を用意してオーブンの様子を見る。
 焼き始めて三十分弱、オーブンを止めそのまま粗熱が取れるまで放置。
 ソース作りに取り掛かる。
 オリーブオイルに赤ワイン、すりおろしたニンニクと玉ねぎ、塩胡椒に砂糖を混ぜてフライパンで火にかける。
 アルコールを飛ばせばサッパリオニオンが美味しいソースが出来る。
 炊き立ての白米を丼に盛り千切りにした大葉を乗せる、その上に焼き上がったローストビーフを薄く切って花状に並べ小口切りにしたネギを真ん中を窪ませるように乗せ中央に温泉たまごを割り入れる。
 最後にすりおろしたホースラディッシュを添えソースをかければローストビーフ丼の完成だ。
 
 「お腹が空いたでしょう」
 そう言いながらカウンター席に座りニュースペーパーを読んでいたフェリクスにローストビーフ丼を出して赤ワインを添える。
 ローストビーフと一緒に焼いたジャガイモやにんじん、玉ねぎは別皿に盛り付けてソースをかけた。
 自分の分を持ち隣の席に腰をかけたアデルハイドはローストビーフを一口ぱくりと口に運んだ。
 「ジューシーなローストビーフに赤ワインのソース、この風味がいいわね」
 「白米にローストビーフってこんなに合うのか」
 驚きながらも十代の男子らしく白米をかき込むフェリクスにアデルハイドはふと表情を緩めた。
 言っても王族、第三王子のフェリクスが気軽にアデルハイドが作った料理を食べるようになるとは去年の今頃は考えもしなかったなと、変わっていく関係に存外悪くないと思う自分に満更でもない笑みを浮かべた。

2件のコメント

  • これはズルい、絶対美味いよ…
  • やば、時間的にも読んでたらめっちゃ腹減った……()
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する