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自作「輪廻の終わりの終わり」について

 正直訳の分からないモノになっていると思うので、作者として裏設定などなどまとめておきます。

・全体
 9話と13話を除いたほぼ全てが、生と死と転生を繰り返し過ぎて何もわからなくなった『輪廻』という人物(+α)の視点で描かれています。……これは酷い。
 また、「プロローグ」と「エピローグ」を除くサブタイトルは、基本的に一話先を想定して決めました。……これは酷い。

・視点について
 先程(+α)と書きましたが、2話の時系列から『輪廻』の中には「僕」という人物が混ぜ込まれています。偶に「誰か」と呼ばれているのは彼ですね。そして、『輪廻』が使っている「僕」という一人称は彼から借りているものです。素の『輪廻』に一人称はありません。
 2話〜6話くらいまでは、「僕」は『輪廻』に完全に呑まれていました。7話くらいから、徐々に意識を取り戻し始めました。以降、『僕』となっている所は『輪廻』、カギ括弧がない所は「僕」です。

・「1.プロローグ」
 ……我ながらとても酷い内容でしたが、あそこが『輪廻』が本格的に壊れ/完成し始めたポイント――「輪廻の終わり」です。多分もっとあの前に色々あるんですが、『輪廻』はもうあれしか思い出せないでしょう。
 この話のタイトルは「輪廻の終わりの終わり」なので、まぁそういうことです。
 ちなみに、10話の最初に「見えた気がした『なにか』」はここの記憶です。気を使った「僕」が『輪廻』を誘導して見せませんでした。

・「2.それはずっと」
 『輪廻』の中に「僕」が混ぜ込まれたことで、疑問が発生した――という感じです。
 この時点では、「僕」は『輪廻』に呑まれ、混然一体とした状態にあります。それでも、確かに歯車は回り始めました。

・「3.どこだろう」
 『輪廻』の回想?っぽい何かです。「僕」が混ざったことで、ようやくこういう認識を行えるだけの意識が戻りました。

・「4.削れ砕け、花弁は全て風となって」
 例によって、サブタイトルは次話を意識しているものです。
 元ネタは、作者が大好きなweb小説、『異世界迷宮の最深部を目指そう』に出てくる詠唱の一つです。「輪廻の終わりの終わり」は全体的にこの作品の影響を受けています。特に、五章に出てくるとある少女に。

・「5.時の理を盗まれたもの」
 このサブタイトルも、また『異世界迷宮の最深部を目指そう』が元ネタです。『〜の理を盗むもの』というボスキャラたちから。

・「6.それは回り始め、」
 例によって、サブタイトルは次話を意識しているものですね。

・「7.一歩ずつ」
 前話のサブタイトルが言っている「回り始め」た「それ」は、「毒」=「僕」となります。
 この辺りで、「僕」が意識を取り戻し始めました。まだ、『輪廻』は「僕」に気づいていません。

・「8.光」
 特に言うことはないですね……。文面そのままです。

・「9.毒」
 ここは「僕」視点となります。
 心配したこの話の黒幕、「僕」の師匠ことオレっ娘魔法使いが声をかけてきましたが、杞憂でした。
 あとはまあ、「僕」がどう状況を判断していたか、という程度の話です。

・「10.ありがとう」
 本格的に意識が戻ってきた『輪廻』の回。
 ここの最後で、『輪廻』は色々と気づいています。「僕」がいることとか、その目的とか。

・「11.」
 文字通り最後の最後に、『輪廻』はようやく帰れました。
 この相手が誰なのかは、ご想像にお任せします。ただ、『輪廻』、あるいは『輪廻』になる前の誰かにとって、一番大切な人だったことでしょう。

・「12.その終わりの先でいつか」
 「輪廻の終わりの終わり」です。
 『輪廻』はようやく、本当の意味で死にました。死ねました。

・「13.エピローグ」
 蛇を殺した師弟の話。
 その終わりの先でいつか。この言葉が誰視点なのかは、ご想像にお任せします。
 ……ちなみに、「ウロボロス」と「13」という話数は、少しだけTRPG『ダブルクロス』を意識していたり。面白そうなのでいつかやってみたい。

・登場人物――『輪廻』
 『無限転生者(ウロボロス)』とも。
 その有り余る『転生』の素養が暴走し、生と死を延々と繰り返し続けていました。不幸にも。
 物語開始時点でその自我は殆ど消えかけており、所謂「極めて精巧に組み上げられた自動問答機」みたいな状態で、色んな世界の多くの人々を巻き込む災害じみたことになっていました。
 基本的に善人で、無垢です。性別や元の名前は、もう誰にもわかりません。

・登場人物――「僕」
 『輪廻殺しの毒器』。
 文字通り、師匠と呼ぶ魔法使いによって『輪廻』を殺す為だけに造られた存在です。男性。
 転生者の抜け殻――師匠の「前の身体」が素体として使われているという裏設定があります。
 この話の後どうなったのかは、一先ずご想像にお任せします。……ただ、彼に異世界移動の適正はありません、とだけ。

・登場人物――師匠
 『異世界渡りの魔女』。
 この話の黒幕。「僕」を造り、『輪廻』へと送り込んだオレっ娘魔法使いです。かつて『輪廻』の内情を覗き見て、放っておけなくなりました。性別は……後述。
 「男性→女性のTS異世界転生者である」という裏設定があります。転生経験回数はその一回のみで、『輪廻』よりは大分転生適正は落ちますが、二度目の生で魔法を学び、不老になっています。
 また、自身に起こった世界間移動を解析して使用可能になっており、様々な世界を渡り歩いています。多分、チート系転生者の部類です。

・登場人物――その他
 基本的な登場人物は上記の三人ですが、1話と11話で少しだけ登場している人物がそれぞれ一人ずついますね。どちらも、『輪廻』――あるいは、『輪廻』になる前の誰か――と過去に関わった人物です。
 詳細な設定はありませんが、それぞれ当時の『輪廻』にとって大切な人だったのだと思います。……だからこそ、1話のシーンで心を崩されてしまったのではないでしょうか。

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