ベリアル「? ここはどこだ?」
???「近況ノートじゃ」
ベリアル「え? 近況ノート?? って、口調も元に戻ってるし!」
???「まあ、あの状態のお主じゃ話にならんゆえな」
ベリアル「……まあ、コミュニケーションが難しいのはその通りだよな……。って、それより君は誰なんだ? えーと、確か雨のときに首都で和傘持ってた……」
???「お、よく覚えておったな」
ベリアル「ほえ? って言ってた女の子」
???「余計なことまで思い出さんでもよいわ、全く! それと、残念ながらこの場で妾の名を明かすことは叶わん」
ベリアル「えー? なんで?」
???「近況ノートゆえ、本編のネタバレはしてはいかんからな。妾たちの現時点の時間軸はサフィナ②じゃから、それまでの設定でいくぞ」
ベリアル「????」
???「さっさとなれることじゃな。けど、妾の名前がないのも困りものじゃ……。ベリアル、お主にどう呼ぶかは任せよう」
ベリアル「じゃあ、のじゃロリで」
のじゃロリ「はぁあ? のじゃはまだしも、ロリとは何だ!? 妾を揶揄っておるのか!?」
ベリアル「だってアメリアよりもちいさいじゃん。全体的に」
のじゃロリ「……すでに名前が???からのじゃロリに変わってるし……、お主に任せた手前強く文句も言えん。お主、本編で覚えておれよ。では、本題じゃ」
ベリアル「え、本題入る前に聞き捨てならない話が聞こえたんだが……」
のじゃロリ「ずばり、アメリア章のテーマじゃ」
ベリアル「テーマ?」
のじゃロリ「そうじゃ。この物語の誕生秘話……ってほどのものでもないか。まあ、この話が生まれたきっかけじゃな」
ベリアル「あー、何をきっかけに、ってことね?」
のじゃロリ「そうそう。お主も慣れてきたか」
ベリアル「まあ。……それで、この物語が作られたきっかけと言えば、流行りの悪役転生モノを書きたかったから、ではないのか? 一応主人公やってるし、web小説でよく見る設定だっていう自覚はあるぞ」
のじゃロリ「かぁ! これだから最近の若いモノは……」
ベリアル「君も十分若そうだけどね?」
のじゃロリ「お主は二つの間違いをしている! 第一、お主はアメリアの章の主人公ではない!」
ベリアル「なに!? 俺が主人公じゃない、だと!?」
のじゃロリ「くくく……。お主は確かにこの物語で唯一の転生者じゃ。ゆえに、主人公だと勘違いしてもおかしくはないし、この物語では主人公と言っても過言じゃないじゃろう」
ベリアル「た、確かに、転生したというだけで主人公のつもりだったけど……」
のじゃロリ「じゃが、お主は疑問に思ったことはなかったか? アメリアの章で物語の進行を担っているのは自分じゃないのではないかと!」
ベリアル「……確かに! 確かにアメリアが俺の婚約者になったことがきっかけだったけど、アズーリとの話以外は、全部アメリアが中心だ!」
のじゃロリ「そうじゃ。お主はアメリアの背中を押す役割だったに過ぎんのじゃ!」
ベリアル「ということは、……アメリアこそ主人公だった!?」
のじゃロリ「ここまで来れば、貴様の二つ目の勘違いにも薄々勘付いたのではないか?」
ベリアル「二つ目……?」
のじゃロリ「かぁあ! まだ自覚がなかったのか……。ならば教えてやろう。この物語を書くきっかけ、それは悪役転生には関係ないことじゃ!」
ベリアル「ええええええ!?」
のじゃロリ「アメリアの章はアメリアが主人公の物語。絶望を抱いた精金良玉な少女が、立派なツンデレに成長していく物語じゃ! この場合の悪役転生は、ツンデレの性格形成に妥当性を持たせるためのものじゃ!」
ベリアル「なんだって!? ってことは、俺の悪役転生、というか口調での苦労ってのは……」
のじゃロリ「ただヒロインを救うだけの主人公じゃ、ヒロインのツンに妥当性は生まれんじゃろ?」
ベリアル「知らなかったよ!! そんなので俺は苦労してるの!? もう“ベリアル”やめたいよ……」
のじゃロリ「軟弱者じゃのう。それに、この章における悪役転生の役割はそうであるだけで、別に使い捨てという話でもない。その上、悪役転生というのはアメリアの関連だけじゃなく、お主自身にも問題があるからのう」
ベリアル「俺自身??」
のじゃロリ「まあ、ここでの話はどうせ本編のお主に伝わりもせんから教えてやってもいいが、……今はやめておくかのう。解決したときにでも語るとしよう」
ベリアル「ええー」
のじゃロリ「どうしてもというのなら、今ここで話してもいいが、代わりに次回の近況ノートでは、お主のいた高校の会長と副会長とその妹をゲストにするが?」
ベリアル「やめてください、死人が出てしまいます!! 俺の話は聞きません!」
のじゃロリ「物分かりが男は好きじゃぞ?」
のじゃロリ「では、次回の近況ノートはいつになるかわからんが、腐るほどある設定集か、没になったルート、キャラクターが勝手に動き出して捻じ曲がってしまったプロット、そこらから話のネタになりそうなものがあったら掲載するかのう」
ベリアル「のんびりと更新予定みたいなので、気長にお待ちください!」
のじゃロリ「ではこれにて、じゃな。ドロン!」
ベリアル「古臭いですよ、のじゃロリさん」
のじゃロリ「お主マジで本編で覚えてろよ」