数年前、精神的に本当に弱っていました。 一日中、とある不安に苛まれ、体に異変を起こしていまして、「あ、このままだと壊れるな」と言うときに、WEB小説に出会いました。 精神的に一番辛かったのは、眠っても夢の中で同じ不安に苛まれ、目を覚ましても同じ不安に苛まれることで、どこにも逃げ場がなかったんですよね。 そんな時に、手元にあった一冊の小説。 文字だけを読むのが嫌いで、漫画派だったのですけれど、飛行機でネットが使えるようになる少し前に、飛行機に乗る機会が多かったんですよね。 漫画だと、すぐに読み終わってしまって、飛行機が飛んでいる間、一冊だと足りなかった。 小説だと、読むのが遅いのもあって、一冊で往復で楽しめたんです。 飛行機に乗らなくなって、買い置きしてあったけれど読んでない小説。 時間はないし、精神的に疲れ果てていて、なにもする気がおきなかったのですけれど、なにか気分転換をしたほうがいいと思って無理矢理読んでみたら、その日の夢が小説の物語でした。 久しぶりに寝起きがスッキリで、これはもしかして、寝る前にその世界にどっぷり浸かれば眠っている間の脳が、その情報を整理するのでは?と考えて、小説を読み始めました。 30分では悪夢になるので、睡眠時間を削ってでも、寝る前に必ず1時間以上読んでましたね。 すると殆どの夢が、物語の世界でした。 毎日1時間読むとなると、かなりの本が必要となり、お金もかかる。 小説の後書きを読んでいると、よくわからない単語がチラホラと。 WEB小説を連載していて、書籍化されていた方の本だったんですよね。 本は購入して読むものと思っていましたので、かなり衝撃を受けました。 それに、書籍だとまだまだ序盤の話が、WEB小説だと完結済みだったりして、飛び上がって喜びました。 毎日、毎日、最低1時間小説を読む。 心の平穏を保つために必要な行為だったとは言え、ライトノベルの軽いノリにだいぶ助けられました。 なかには、読むのが止められず、睡眠時間を削りまくった作品もありました。 おかげで、一番辛い時期は乗りきれました。 なにか恩返しができないものかと、はじめて自分で小説を書いてみたのですが、何度書いても、1話から先に進めない。 勢いだけではダメなんだなと思い知り、自分が引っかかっているところを飛ばすことにしてみました。 例えば自分の頭の中でイメージできていない化物が出てくるとしましょう。 この化物がビジュアル化できないので先に進めないんですよね。 だからもうそこは化物で良いじゃん!、みたいなノリでとりあえずあらすじだけでも最後まで書いてみようと。 文章の書き方とか、細かい設定はなどはとりあえず置いておいて、自分が本当にやりたいことだけを頭に浮かべ、ひたすら文字を羅列することに専念していたら、今まで書いては先が書けずに諦めていた作品が一本に纏まりました。 まあ、自分でも解読するのが困難なくらい滅茶苦茶な文書ですけれどね。 そこから、四苦八苦しながら人様に読んで頂ける文章にしたつもりの作品が「キセイ」です。 散歩中の犬のウンコ。 それを片づけず、放っていった方にある意味感謝しています。 そのおかげで、この作品が頭の中で形になったので。 あとは最後まで書き続けられることを目標に。 一番辛い時期を乗り越えさせてくれた、作品の数々に感謝を込めて。
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