涼雨 零音

松田聖子の「時間旅行」をモチーフに書いた掌編です。形容詞一つだけでどれだけのことができるのかに挑戦した実験的な小説でもあります。

エネルギー革命と大幅な人口の減少により経済規模が縮小し、安定した平和が実現した少し先の未来を舞台に、周囲になじめない少年レイトが個人端末に直接配信されてきたゲーム「シオンズゲイト…

日常の隙間に口を開ける穴。そこに落ちると変態性が暗黙の了解を揺さぶり、常識が非常識へと転落してゆく。異常なのは誰なのか。異常とはなんなのか。信じられるものが一つまた一つと姿を消し…

仮想世界で提供される電子麻薬による快楽。現実世界でのストレスを解消するため仮想世界の快楽に身を任せる人々。電子麻薬のもたらす快楽によって次第に現実と仮想世界の境界が曖昧になり、複…

電池はいつか切れるもの。高度に電化された生活には落とし穴がいくつもある。「まだ大丈夫だろう」は遠くない将来思わぬ悲劇を連れてくる。電池は早めの交換を。

おかしくなってしまった人とそれを観察する医師。診る者と診られる者はいつしか見るものと見られるものになり、見ていたはずの者が見られる者になり…。無限の迷宮が夢幻の世界へと誘う。

文字から意味を剥奪し、言葉を脱臼させることによって世界の足場を揺らがせる実験的な小説作品です。言葉や文章について日頃考えている人に向けたある種の提案として書いた作品。 ※横書き…

巷で「小説はこうあらねばならぬ」みたいな話を聞くたびに「つまらんな」と感じる。そんな枠に囚われない面白い小説が世の中にはたくさんある。 これは流布するルールめいた言説のくだらなさ…

生きるのは旅に似ている。旅に出て帰ってくることは、月の満ち欠けに似ている。そんな思いで人生の節目を月の位相になぞらえて書きました。 note.com の「旅する日本語2020」…

小学生のぼくとカッチは、学校で噂のモアイを見つけるべく理科準備室へ向かう。準備室で二人を待ち受けていたのは…。 note.com で開催された「こんな学校あったらいいな」に応募…

のどかな街の駅前交番に持ち込まれた一人の女の謎めいた相談。かみ合わない会話の行きつく果てにあるものは。

入り組んだ状況が混乱を招き、なにがどうなっているのかわからなくなっていく。おれはいったいなにをしているのか。なにをしていたのか。なにをするはずだったのか。

真夜中に突然大音量で再生されるポルノ映像。家電をコントロールする音声認識ＡＩとの意思疎通で聞きちがいが行きちがいを生んで混乱を来す。通じないことのもどかしさがやがて主人公を狂気へ…

自分と同じ姿、声を持つ存在が現れ、それが自分よりも有名になっていく様子に危機感を覚える主人公。自分の人生に現れた偽物はしかし、立場を逆転すれば自分の方が偽物になる。逃げ場のない不…

人生の様々な分岐点。選択の陰に消えていった自らの可能性。その可能性の先にあった自分との出会いが混乱を生み、狂気へと誘う。 コンピュータを使わないと書けない新しい小説の形を模索し…

北海道を舞台に、全国高等学校写真選手権大会、通称写真甲子園を目指して奮闘する少女たちの物語。