龍彦は東京大学、晴は雫と同じ一橋大学に通っていました。二人は同い年、出会いは二十歳の頃でした。
二人が出会った図書館は、104話で雫と日向さんが行った図書館です。
父とは東京にある図書館で出会ったと母から聞かされていた雫は、なんとなくここではないのかとどこか惹かれる思いで104話の図書館へ向かいました。
確信は持てなかった雫でしたが、日向さんと来れたこの場所が父と母の出会いの場だったらなんて運命的なのだろうかと思いを巡らせていました(なのでいつもよりテンションが上がり、少し大胆になってました)
子供を作ることを躊躇っていた晴は龍彦に「雨谷家は長寿の家系です。後顧の憂いは私達で絶ちましょう」と言われ、「なら作らない方が絶てるんじゃないですか?」と笑いながら返していました。
ただ、自分がいなくなった後の龍彦を考えたり龍彦の熱意や、ただ純粋に二人の想いをこの世に残したかった晴はそこで決意しました。
晴がよく言っていた「雫は龍彦似」とは、雨谷の血が濃いという意味も込められています(晴の顔は雫と瓜二つです)。
病室で相部屋になることを嫌っていた晴は、「龍彦さんと二人きりで寝たい」と言っていました。
そこで龍彦は「約束する、必ず二人きりで寝よう」と言い、晴亡き後庭にある見なし墓地の中身を全て処分し晴だけを納めました。それは、いつの日か己が入り二人きりで眠る為。
不器用ながら愚直に晴を愛していた龍彦。
そんな龍彦を空から見て笑っていた晴でした。