156話数日前のお話しです。
◇ ◇ ◇ ◇
今日の夕飯は何にしようかと思い、晴さんに書いてもらった一週間の食べたい物リストを見る。
うーん…………オムライス。最近作ってないし、良いかもしれない。
買い出しに行く前に天気予報をチェックしようとタブレット端末の電源を入れたけど……頭の中はオムライスでいっぱいになってしまっていたらしく、検索欄にオムライスと入力してしまった。
戻るボタンを押そうとしたところ、検索欄に気になる文字。
「オムライス……魔法の言葉……?」
興味本位で調べてみると、メイドカフェなる場所があるらしい。急いで友達の詩音ちゃんに電話をかける。
「も、もしもし詩音ちゃん? 今いいかな?」
【おーっす。相変わらず惚気けた声してるね。で、なに?】
「メ、メイドカフェってなにかな!?」
【えぇ……どしたの急に……メイドカフェってのはね、メイドの格好したお姉さんがいる喫茶店で、お客は家に帰ってきた御主人様って設定になるお店】
「ふぇぇ……そうなんだ……あ、あのね、“オムライス 魔法の言葉”ってインターネットに書いてあるんだけど、どういうこと?」
【ケチャップでハートとか書いて、その後メイドが愛の言葉とポーズを注入する……んじゃなかったかなぁ……】
「ふむふむ、愛の言葉とポーズ……」
【お役に立てました?】
「ふふっ、うん。詩音ちゃんありがとう」
【うーっす。今度遊びに行かせてよね。じゃあ仕事あるからまたね── 】
「うん、ありがとう」
愛の言葉……好きとかそういう類なのかな。
これはまた考えることにして、メイド服を調べてみる。
ふむふむ、これなら作れそう。あとは……
今日の今日出来るわけではなさそうなので、取り敢えず夕飯の買い出しへ出かけようと玄関まで行くと、タイミング良く呼び鈴が鳴った。
映し出された画面には晴さんのマネージャーである栞さんの姿。
急いで玄関の鍵を開けた。
「栞さん、いらっしゃいませ。晴さんはまだお仕事ですか?」
「一時間くらいで帰ってくるんじゃない? これヒナの荷物ね。あとこれ葵からあなたにプレゼントだって」
「ふぇぇ……YESとNOが書いてありますね……あ、ありがとうございます。栞さん……メイドカフェなるものはご存知ですか?」
「メイドカフェ? あぁ、萌え萌えきゅーんみたいなやつでしょ?」
「も、燃え?ですか? きゅーんとは擬音でしょうか……燃えるような……熱い想い? つまり私のこの想いを擬音をつけて表現すれば……メイドなので可愛らしく…………」
「……相変わらず幸せそうね。じゃ、ヒナによろしくね」
◇ ◇ ◇ ◇
というわけで156話に続きます:D
これを本文につけた方がわかりやすいでしょうか?