こんにちは、たろでございます。近況ノートではお久しぶりですね。お世話になっております。
☕️『Ambrosia Dark Roast - 金曜夜の彼女』💐
https://kakuyomu.jp/works/822139840595043582
去年冬から連載しておりましたこちら、本日更新分で完結となりました。拙作に触れてくださった方、ありがとうございました(*´人`*)
来週から新たに連載を始めるので、よろしくお願いします✨
完結記念ということで少し覚え書きをしておこうかなと思います。ご興味ございましたら本編に引き続き今しばらくお付き合いくださいませ。
(エブリスタさんのスター特典と同じ内容です)
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●IF妄想のススメ●
本作はたろのライフワーク創作『BLESSED』のキャラクターを流用し、IF妄想を練った結果を別作品として編集したものです。
『BLESSED』本編はいくつもの関係性の詰め合わせみたいな群像劇なのですが、どの関係もなかなかハッピーエンドへは向かわず……。
地獄の業火に灼かれるようなしんどさが人間らしくて好きなんですけどね。
このキャラクター達がハッピーになれる世界線もたまには見てみたくなるわけです。
ではIFで救っておこうというわけで、本編とは別にIFを練ることがよくあります。
この作業、一見無駄なようですが、本編をより煮詰めてゆくために有用な作業でもあるのです。環境を変えることでキャラクターの本質が見えてくることがあります。
長編作ってる作家さんは、ご自身の創作でぜひ。面白いですよ(*´ω`*)
そんなわけで、『Ambrosia Dark Roast』の主要人物エヴァンとセシリーの元キャラクターは『BLESSED』本編におけるサイマンとハランなのですが、この話はまた後ほどさせてくださいね。
●『Ambrosia Dark Roast』の作り方 ●
まず最初の構想時点であったものは、「わかりやすく展開する恋愛ものにしよう」、でした。
恋愛ものは古今東西、創作作品の多くを占めるもの。王道のパターンがあり、これが恋愛であるという記号的表現が出来上がっているジャンルかと思います。
ならば、素晴らしい先立の作品を参考にするのが最も「わかりやすい」と考えまして。
というわけで! 以下たろの脳内劇場をどうぞ。
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恋愛ものかぁ。ハランのバトル系ヒロイン設定を生かせるやつがいいなぁ。
戦うヒロインの恋愛ものといえば!
『Mr.&Mrs.スミス』!!(*°▽°*)
いいねぇ黒スリットドレス。よし、スパイ要素入れよう。アクションしたいから情報収集より暗殺がいいな!(スパイとは)
スパイが面白いのは冷戦時代だよね。じゃあ1950年代後半イギリス風で行こう。オードリー・ヘプバーンいいよね、おしゃれで。
次! 恋愛ものといえば〜〜!
『ラ・ラ・ランド』!!(*°▽°*)
もう文句なしでおしゃれ! 映画館デートで交際始めてたよね、あれ。いいねぇ映画館。霧の街の屋内デートとしても最高だ。
よし、映画館デートをきっかけにしよう!
それから! 恋愛ものの不朽の名作!
『タイタニック』!!(*°▽°*)
豪華客船いいねぇ。好きです、こういう乗り物が。おっふね♪ おっふね♪🚢
というわけで大きなお船を終盤に突っ込もう。
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と、こういう感じでプロットが出来上がりました。
すごく単純でわかりやすい。先立に感謝。
花やコーヒー、カフェの要素は、たろと元キャラの好みです。
そして仮想ロンドン風都市でありますと作品紹介文で言いきれなかったのは、たろがロンドンを歩いたことがなく、脳内にあるイメージがパリをベースにしたオックスフォードとウィーンの混ざり物だったからです。(笑)
創作のためにもっと取材旅行へ行きたいですね。ね、燃油サーチャージ……。
● 書く上で気にしたことなど●
まず恋愛ものということで、文体を柔らかく(当社比)、心理描写をメインに据えました。
カメラも視点人物の内面に近く主観的に。
情景描写は物理的な正しさを重視せず、心理描写の一部として嘘をついている部分があります。
たとえばエールって貯蔵室の温度そのままで出てきますから、グラスにびっしょり汗をかいたりはしないんですよね。そういうところです。
都市を覆うスモッグもシーンによっては平気で晴らしてます。
恋愛の文脈上にある心理描写を濃厚にしたら、同じ語彙が頻発したのがちょっと気になります。
揺れる、震える、ほどける、溶ける、弾ける、零れる、溢れる、重なる、わずかに、仄かに、微かに、柔らかな、甘く、――みたいな語彙だらけになりましたね。うーん。
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今作には濡れ場があるのですが、直接的な描写をぎりぎりまで削り、比喩攻めで描くことにしました。
その際にテーマにしたのが「水」です。
比喩を統一したのは結果よかったかなと思っています。絵で言えば無計画に何色も使わずにメインカラーを決めて塗ろうというわけですね。
生の清濁のテーマにもちょうど合致しました。
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それから気をつけたのは、一話ごとの字数を減らすことです。
たろ作品、文字数嵩みすぎ問題。
もっと読み手に低負担に。たとえば新聞の連載小説くらい少しずつ読めるようシーン分けしました。目標800から1900字。
どうしても分割できなくて2000字を越した場面もありますが、まぁまぁの達成率かなと思います。
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これは気をつけたことではなく、ちょっとした心残りなのですが。
エヴァンの住むラバーナム・ガーデンがですね、せっかく金鎖のある緑地を設定したのに、エヴァンとセシリーが金鎖のアーチを歩くような場面が作れませんでしたね。
絵的にすごくロマンティックなので惜しかったです。
六月頃に二人のお花見デート回を持ってくることができれば入れられましたが、四月になっちゃったのでイギリスらしくブルーベル畑になりましたとさ。
● IF妄想という実験場●
主要人物エヴァンとセシリーの元キャラクターが『BLESSED』本編のサイマンとハランであることは先にお話しました。
『BLESSED』本編におけるこの二人の制約の大部分は、貴族社会がサイマンに課している社会的義務なのですよね。
ですから、その外的制約を外したらどうなるかな? というのが、ひとつ目論見としてありました。
そしたら出てきたのが――本編でなかなか見られない「激情型サイマン」でした。(笑)
作者的には膝を打ちましたね、これは。
『BLESSED』は、言葉で語れない感情や形式で守れない関係性がテーマにあることもあり、本編のサイマンて「好き」とか「愛してる」とか地の文でも言わないんですよね。
「好き」が言えるし「恋人」と呼べるし、「結婚」や「肉体関係あり」という形式で関係を定義することが可能な恋愛ものは、なるほどハッピーエンドにしやすいなぁと実感しました。
ハランからも、本編でのイフェニスとの共依存関係をIFでは外してみました。
サイマンとの関係と天秤にかけずに済むことで愛の方向性が整理されましたが、それでも彼女は「愛するがゆえに突き放す」行動をとったので、自己犠牲的な愛はやはりハランの本質だなぁと思います。
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ただ、名前を変えて再編集することで、エヴァンとセシリーは元のキャラクターから離れた部分もあります。
サイマンは言うほど几帳面ではなくて、書棚に収まらない本をその辺に積読しています。真面目だけど適当なところもあるんですね。理知的ですが、天然ボケっぽい柔らかさがあります。
引き換え、エヴァンはハンバーガーの包み紙を三角折する几帳面さで、なんでも丁寧なタイプになりました。
エヴァンが硬めの性格になった分、セシリーのほうが柔らかくなりましたね。
ハランは強迫観念的なところがあり思い詰める性格ですが、それはサイマンに柔らかさがあるから、そのタイプのヒロインとでバランスが取れるのだと思います。
● 終わりに●
という感じでした。
IF妄想ってかなり気軽に始めるんですよ。あんまり最初から設定を詰めないで見切り発車するのですが、それでも本編でキャラクターの基礎が出来上がっているので、するする動いてくれます。
たろがシナリオを考えなくても、キャラクターが勝手に引っ張ってくれるんですよね。
彼らの動きを追って文字に起こしているだけなので、あとは「どう描くか」だけです。
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エヴァンとセシリーは無事にハッピーエンドを……というかメリーバッドエンドを迎えましたが、天寿を全うするというよりはセシリーが早めに亡くなりそうな気はしますね。
楽しく書けてよかったです。
ここまでお付き合いくださいまして、ありがとうございました!