新作の歴史短編『恐れるな、と』を公開しました。
紀元前六一二年。
世界最大の都ニネヴェは、バビロンとメディアの軍によって滅ぼされました。
これは、その二年前から始まる物語です。
七歳で戦と恋の女神イシュタルに捧げられた少女、ニディンティ。
家族と離れて神殿で暮らす彼女には、眠れない夜ごとの習慣がありました。
その日に食べたもの。
歌の稽古。
祭の蜜菓子。
父の訪れ。
遠くの街から逃げてきた人々。
少しずつ細くなってゆく水路。
誰にも話せないことを、彼女は毎晩、神さまに語ります。
いずれ訪れるであろう滅亡の予感に怯えながら……。
あなたが神の代わりになって、最後まで彼女の言葉を読んだとき。
誰にも聞かれなかったはずの祈りに、初めてひとりの聞き手が生まれます。
これは、七歳で神に捧げられた少女が、古代オリエントで破滅するだけのお話。
そして、歴史に残らなかった声を、読者であるあなたが完成させるお話なのでした。
かわいそうだから聞いてあげて🥺
🌙🏺 はちみつのおやつと、九つの祈りをご用意してお待ちしております。
→【作品URL】https://kakuyomu.jp/works/2912051604821995034