向原　行人

こんにちは。ご依頼の頂きました感想です。お待たせしました。
ネタバレありです。


文章が読みやすい。改行や空行の使い方もWeb小説として丁度いいと思う。
冒頭のつかみがいい。
ラブコメのお約束であるラッキースケベが入るタイミングがうまい。
テニスについての描写が細かい。

ここまではよかったところ。


では突っ込みを。まずは、全体的に。

ファンタジー×ラブコメ×スポーツを目指しているのだろうが、テニスの描写が細かすぎて、他の要素とのバランスが悪い。

読者にしてみれば、硬式と軟式の違いなんて大して興味がない。
握り方が違うとか打ち方が違うとか、その程度でいいのに、それが何度も出てきてしつこく感じた。
また、変な癖がつくと今後に差し支えると主人公は逡巡するけれど、全く共感ができなかった。

一方で、全然違う競技であるバドミントンとの差異はおおざっぱすぎる。
上から打つ時も手首は使う。というか常に使う。いくら軟式は軽いとはいえ、ラケット自体の重さが違うから、そのまま振ると手首を痛めることには変わりない。だから一番最初のサーブの時点で多少なりとも手首は痛めたはず。硬式ならなおさら。肩も痛めるかもしれない。

とはいえ、バドミントンに関してはこれ以上細かく書かなくてもいいと思う。またそれはそれでしつこくなりそうだし。ただ、主人公じゃなくて、ユキに違いを言わせたほうがいい。「手首を固定しないと痛めそう」「体重を乗せて打つと全然違う」というように。違いを一番実感しているのはユキだから。てかなぜ主人公はそこまでバドミントンに詳しいのだ。

テニスについての描写が細かいのはスポーツものとしては好感が持てる。だから本格的であること強みにするのであれば、スポーツ部分とそれ以外の部分をもっとしっかり書き分けたほうがいい。テニスのときはがっつりテニスをやる。終わったらコメディ要素を入れる。今もそうなっていないとは言えないけど、まだ混在しているように見える。


あとは細かいところ。

冒頭、毛でもふもふのうさぎが人間になったらさすがに気づくだろう。いくら真っ暗だからって不思議現象すぎて思考がついていっていなくたって不自然すぎる。
あと、小さなおっぱいってそんなに揉み心地がよくないと思う。手が離せないほどの柔らかさは実現しないのでは。夢中で揉んでしまうほどのサイズをちっぱいというのは……世の中の女性の一部を敵に回すかもしれませんね。

練習中にウェアを着ている意味がわからない。ジャージだろ普通。とはいえラブコメ的にはスコートは必須だから、この方がかわいい、これしか持ってない、みたいな言い訳をひとことを入れて欲しい。
読み逃していたら申し訳ないのだけれど、一度くらいアンスコの正式名称を出して欲しかった。

ぺたんとなっているとはいえ、うさみみが隠れるくらいのふわふわの髪型が想像できなかった。アフロ？
太い毛って表現に吹いた。いくらなんでもそれは無理がある。

ファンタジー要素についての反応が薄すぎる。
母親と妹はともかくとして、主人公だけはもっと常識人でいて欲しかった。うさみみに対する反応はよかったのに。聞いたことない国名のくせに日本人多数。言語はどうなってるんだ。瞬間移動はさすがに驚け。せめて「ここまで来たらもう驚かない」くらい言って欲しかった。

父親の話が唐突すぎる。ユキが話してから、俺も……としたほうがよい。


ここまで読んだ正直な感想としては、特別面白いとまでは思えなかった。
でもこの時点で切ってしまうのはもったいないとも思った。
ここから盛り上がっていくと思うし、上で突っ込んだ部分には伏線が含まれているんだろう。その回収も含めて、今後の展開に期待したい。

ところで、いつダブルスを組むことになったんだろうか。大会のルール的に男女混合でよいのだろうか。



以上です。
気に入らなかったりネタバレまずかったりしたら気にせずさくっと削除しちゃって構いませんので。もちろんこの感想を鼻で嗤って無視していただいても構いません。

でも、お約束の見返りだけはどうかお願いします。コンテスト後でもいいので。報告も不要ですので。
完結したら連絡くれると嬉しいです。読みに来ます。連載追いかけてると思うのですが、念のため。

藤浪保様
ご感想の件、ありがとうございます。

先ずテニスの内容については、ちょっと脇に置かせていただきます。
私自身がテニス経験者…インストラクターだったため、自らの経験と生徒さんの話を基に書いてしまっているので、テニスをされていない方に対して、説明不十分だったと反省しています。

加えて、ご指摘通りテニスの描写が細かすぎるのは、自身でも感じていたところです。また、主人公が感じるのではなく、他の誰か（ご指摘いただいたヒロインなど）との会話で説明した方が良いと仰るのも頷けます。
他にも、ご指摘いただいた箇所について、なるほどと感服いたしました。

一先ず、完結まで書き上げ、その後ご指摘いただいた箇所を修正したいと思います。
この度は、貴重なお時間をお使いいただき、拙作をお読みただいてありがとうございました。
見返りの件――藤浪さんのレビュー作品のどれかを必ず読むこと――了解しております。完結後に拝読させていただきますね。

※すみません。最後に１つだけ。
＞あと、小さなおっぱいってそんなに揉み心地がよくないと思う。
そんな事はないと思うのですが、まぁ感じ方は人それぞれということで。
ありがとうございました。

おお。専門の方だったとは。では試合部分は特に期待が持てますな。
ぜひ完結させてください。楽しみにしています。