【フィッチャーの鳥】
その人員や組織の特性上、艦隊の編成については通例の海上艦隊・宇宙艦隊に比べれば『群』と称するに相応しい数となっている。
つまり、海上艦隊などが航空母戦艦の複数で成り立つ『群』を更に複数束ねる形で艦隊と言うものを形成するところ、彼らはその『群』をそのまま艦隊として運用している面も大きい。
これは増大する軍事費に対しての一種の解決策として生み出された【フィッチャーの鳥】の組織的なやむを得ない宿痾である。
必要時にはハイランド海軍や宇宙軍などから船を集め、統合任務部隊を作ることで対処を行うとされている。
●宇宙方面艦隊
地球衛星軌道艦隊
―第一艦隊
・キングストン級一番艦『キングストン』
・トニトルス級巡洋母艦『トニトルス』
・トニトルス級巡洋母艦『テンペスタス』
・ネブラ級駆逐母艦『プルウィア(雨)』
―第二艦隊
・キングストン級九番艦『アールエクス』
・グラキエース級巡洋母艦『グラキエース(氷)』
他、補給艦など。
B7R方面艦隊
―第三艦隊
・キングストン級二番艦『シャドウ・ムーンライト』
・トニトルス級巡洋母艦『インベル』
―第四艦隊
・キングストン級三番艦『ブラック・サンライズ』
・ネブラ級駆逐母艦『グランドー(霰)』
他、揚陸艦など。
月方面艦隊
―第五艦隊
・キングストン級五番艦『リチウム・ニルヴァーノ』
・グラキエース級巡洋母艦『スティーリア(氷柱)』
―第六艦隊
・キングストン級七番艦『スパゲッティ・モンスター』
・ネブラ級駆逐母艦『ニクス(雪)』
他、揚陸艦など。
●地球方面艦隊
・キングストン級四番艦『アトム・ハート・マザー』
・キングストン級六番艦『エイシズ・ハイアー』
・キングストン級八番艦『クライイング・サンダー』
・キングストン級十番艦『ライド・ザ・ライト』
・トニトルス級巡洋母艦『プロケッラ』
他、補給艦など。
【ハイランド宇宙軍】
地球軌道艦隊
・シムラクルム級電子戦巡洋艦『シムラクルム』
・シムラクルム級電子戦巡洋艦『アルケス』
・ウェントゥス級揚陸艦『ウェントゥス』
・ウェントゥス級揚陸艦『トゥルボー』
・ウェントゥス級揚陸艦『ニンブス』
など
当初、推進剤のコストの関係から宇宙戦艦による射撃戦というのはあまりにも現実的ではなかったために、宇宙軍はこれらの装備を有しなかった。
宇宙軍の当初の編成は、主に地球本土に対しての衛星などによる支援・監視・管制を目的としたものであり、そもそも軌道を離れての戦闘というのは現実的ではないものとされていた。
その後は衛星軌道都市の成立に伴い、居住区(ボウル)に直接乗り込み制圧する宇宙揚陸艦や陸戦隊、その援護であったり敵攻撃衛星・宙間ミサイルの電子機器破壊であったりを行う電子戦艦(船とは名ばかりのものだが)を主体としたものが編成される。
また、軌道上における攻撃衛星の直接破壊や宙間ミサイル迎撃を想定してミサイル駆逐艦やミサイル防空艦なども配備していたが、宇宙での移動コストや危険性などの観点から、地上からの迎撃の方が極めて効率的と考えられていたためにいずれも小規模に留まっている。
宇宙での艦隊戦や射撃戦を想定した宇宙軍というより、海上遊弋都市などとの戦闘においての宇宙からの支援が主目的であり、その直接戦闘能力については宇宙海兵隊という呼び名の方がより正確かもしれない。
【星の銀貨】戦争においての宇宙軍の活躍というのは極めて少なく、地上侵攻に対しての迎撃に端を発したガンジリウム利用型推進機構を搭載した海上・航空宇宙両用艦の開発は海軍主導で行われ、それらの乗組員の育成や運用のノウハウのために現在もその多くは海軍が担っている。
大戦時開発されたそれらの船を払い下げられる形で『地球軌道艦隊』『衛星軌道艦隊』『軌道外縁哨戒艦隊』を形成しているがいずれもその規模に対して戦力が満足とはいえず、その充足に先立って【フィッチャーの鳥】が形成されてしまい予算がそちらに流れたことが宇宙軍の大きな不満となっている。
【ハイランド海軍】
仮想敵とされていた海上遊弋都市の存在から、保護高地都市の中でも最も予算が割り振られていた組織の一つ。
衛星軌道都市・海上遊弋都市の侵攻に際して保有する艦艇の多くを破壊される。
その後の大規模反抗作戦の主軸を担うために建造中であった艦艇を改修し、海上・航空宇宙両用使用の航空母戦艦や航空巡洋母艦を開発。そのまま乗員を引き継ぐ形でそれらの艦艇の運用を行う。
戦争の勝利――つまり海上遊弋都市の戦闘能力の低下に伴い、現在では、大戦によって地球の各所に散らばってしまったアーセナル・コマンドによる非正規戦が想定され得る状況であり、アーセナル・コマンドの運搬という点に主軸が置かれた編成へと切り替えが行われている。
事実上の、いわゆる宇宙軍という様相を見せている。
今後、その部隊は宇宙軍に配属されていく予定はあるものの、様々な関係から未だに実現していない。
(一説には主たる仮想敵の戦争実行能力の低下により、海軍の予算が削られることがあり得るためとされている)。
・第一艦隊
・第二艦隊
・第三艦隊
・第五艦隊
・第七艦隊
・第十一艦隊
※航空要塞艦
・アルマダ級航空母戦艦『アルマダ』
・アルマダ級航空母戦艦『トラファルガー』
・アルマダ級航空母戦艦『レパント』
・アルマダ級航空母戦艦『ユトランド』(未竣工)
・アルマダ級航空母戦艦『アクティウム』(未竣工)
・シルバーグース級航空装甲母艦『シルバーグース』
・シルバーグース級航空装甲母艦『グレークレイン』
・ウェルテクス型重巡洋母艦『ウェルテクス』
・ウェルテクス型重巡洋母艦『ファウケース』
・ウェルテクス型重巡洋母艦『グラーレア』
・ウェルテクス型重巡洋母艦『アレーナ』
・グレイシャー級巡洋母艦『グレイシャー』
・グレイシャー級巡洋母艦『ヘイルストーム』
・グレイシャー級巡洋母艦『アバランチ』
・グレイシャー級巡洋母艦『パーマフロスト』
・ネブラ級駆逐母艦『ネブラ(霧)』
・ネブラ級駆逐母艦『ヒエムス(吹雪)』
・ネブラ級駆逐母艦『ニクス(雪)』
・ネブラ級駆逐母艦『ローラティオ(霧雨)』
・ネブラ級駆逐母艦『プルーイナ(霜)』
・アエストゥス級航空補給艦『アエストゥス』
・アエストゥス級航空補給艦『カタラクタ』
【ハイランド空軍】
仮想敵であった海上遊弋都市との戦闘における防空、弾道ミサイル防衛を主としており、他に想定し得る状況としては保護高地都市内での分断派や独立派の武装蜂起への対処である。
開戦に先立ち、その航空基地の大半を【星の銀貨】によって破壊された。
その後、保護高地都市はかねてより航空宇宙局で開発されていた宙間活動用人型機を転用する形でアーセナル・コマンドが実装。
弾道ミサイル同然に飛翔を行い敵基地への攻撃を仕掛けることを想定されたアーセナル・コマンドの運用法により、その操縦者(駆動者)の育成は空軍が引き受けることとなった。
それ以後もアーセナル・コマンドの駆動者の育成については空軍が行っているものの、従来の空母における艦載機パイロットの育成が海軍でされている点から、それらの育成機関や能力については各軍に分離される予定ではある。
しかしながらそうなった際に、アーセナル・コマンドというゲームチェンジャーによって航空機に求められる能力が変わった点から、空軍の存続について危ぶまれることとなっており、分離もあまり進んでいない。
海軍が空母に乗る海軍航空隊をそのまま有しているのに対し、空軍というのは陸軍飛行隊が前身となっている組織である。
それ故に、アーセナル・コマンドの実装に際して、基地という形でアーセナル・コマンドを一定地域に駐留させるのは空軍の管轄となる。
しかしながら、都市部におけるアーセナル・コマンドの運用においてはかつての航空機そのものというよりは戦闘ヘリ・戦車のような行動も求められており、この育成や運用について他軍と競合・支障するとも言われている。
→【軍団規模】
戦闘航空軍団 ※ハイランド本国12州の防衛
→第1空軍
第7空軍
第10空軍
第11空軍
第16空軍
第17空軍
教育・訓練軍団 ※パイロット・リンカー・各整備・消防・基地業務群などの訓練を担当
→第2空軍
→第8空軍
→第12空軍
→第14空軍
空軍資材軍団
→第3空軍
→第9空軍
空軍予備役軍団
→第4空軍
第20空軍
第23空軍
第24空軍
空軍特殊作戦コマンド
→第5空軍
第21空軍
航空機動軍団 ※輸送機や偵察機などを管轄する。
→第6空軍
→第15空軍
→第18空軍
第22空軍
海上駐留機動軍団(在フロート空軍)
→第30空軍
第31空軍
第32空軍
宇宙要塞防衛軍団(在サテライト空軍)
→第40空軍
第41空軍
第42空軍
駐留機動防衛軍団(在ステーション空軍)
→第50空軍
第51空軍
→【師団規模】
第○○航空師団
→【兵団規模】
第○○運用兵団
→【大隊規模】
第○○飛行隊
→第○○飛行中隊
【ハイランド海兵隊】
主たる任務は、敵国との戦闘においての上陸作戦などによる攻撃である。
主たる仮想敵は海上遊弋都市、空中浮游都市。
特に海上遊弋都市はその特性から海上戦力及び航空戦力の充足が予想されており、海兵隊については上陸が極めて困難である(すべからく上陸について言えるが)と想定されていた。
またその都市の構成的な特性から大型兵器での攻撃が困難である(というよりも実行すると相手市民が全員死亡することになる)空中浮游都市との戦闘においては、まさに主力となると考えられているのが海兵隊である。
それ故に、空飛ぶ都市への上陸を行うための装備の充足が求められるが、空中浮游都市が保護高地都市とある種の軍事契約を結んでいるためにこれらはあまり現実的ではなくなっている。
【ハイランド陸軍】
主たる任務は、本土の防衛及び海兵隊上陸以後の敵国土における制圧である。
また海上遊弋都市の上陸部隊、空中浮游都市の降下部隊などの制圧に対する反抗作戦の他、保護高地都市の内部における分断派や独立派が起こす内戦の鎮圧も陸軍が想定しうる戦闘状況である。
衛星軌道都市との戦闘については、そもそも宇宙からの降下が現実的ではない(弾道ミサイル防衛よりも容易く降下部隊の撃滅が可能)と考えられていたため、彼らとの戦闘については訓練の想定範囲外ではあった。
とは言っても、本土防衛を前提としているために、敵がなんであっても行うこと自体に変化はあまりないものであるが。
国土がかつてに比べて限定されているために、機甲装備による防衛は十分であると考えられていたが、【星の銀貨】による超高高度爆撃により甚大な被害を蒙り、さらにアーセナル・コマンドによる襲撃により転換を余儀なくされた。
現在は、重装甲型のアーセナル・コマンドやモッド・トルーパーによる戦力の充足を進めている。
【ハイランド沿岸警備隊】
6軍に含まれるが、管轄は国防総省ではない。
また、他の軍と異なり司法警察能力を有している機関である。
アーセナル・コマンドは持たず、モッド・トルーパーの配備が行われている。