【歴史】
・星暦以前
世界連邦政府はなく、環境問題の影響から『よりエコで自給自足的』な海上フロートの建設が進む。
元来は企業主体での資産家向けゲーテッドコミュニティであったが、環境問題のための条約批准国から多く製造されるようになる。
日照も良い優れた農地としての機能かつ、『海上フロートで酸素を生産する分は差し引きで二酸化炭素排出を行える』という形での利用がされる。
海上フロート先進国と後進国の問題、公海や領海に関する諸問題が訪れる。
ユーロ圏を中心として海上フロートの諸問題に関する制限を行う議定書の締結がされる中、ユーラシア大陸にてそれを不服とした北方の大国による『公海上での』『海上フロート同士による』の紛争が発生。
それはエスカレーションし、結果的に多くの経済制裁や多国籍軍の介入を以って終結した。
それを機に、『海上フロートに関する国際条約』が定められ、地球上の各国家がその条約を批准する。
『海上フロートに関する国際条約』を更に発展させる形で、環境保護の観点から、国民数や二酸化炭素排出量辺りの緑化海上フロート建設の努力義務・陸上機能の海上フロート移設に関する排出量優遇など海上フロート政策が進行。
やがてそれらに伴う条約に批准し、一定の割合で地上機能を海上へと移行を行う国家――を取り纏める形で、
【世界連邦政府】が誕生する。
・星暦元年
世界連邦の誕生を下に制定される。
・星暦7年
9/3 小惑星B7Rの発見。この時点では地球接近軌道にない。
・〜星暦114年まで
度重なるレアメタルの使用について、地球近傍小惑星や月などからの採掘プランが発案。
それを下に、地球衛星軌道のステーション(のちの【夜の方舟】)が多く建設。
その後、月にも採掘基地が作成。
及び、各種重工業会社によって現地での加工や製作を行う企業都市(のちの【月の方舟】)が出現する。
世界総人口が【100億人】を突破
・星暦114年
5/14 小惑星B7Rが地球への衝突軌道にあることを確認。
小惑星迎撃作戦及び破壊作戦が行われるも、小惑星B7Rの破壊に至らず。
引力的にありえない(奇跡的と呼んでも良い)状態で小惑星B7Rは、資源衛星B7Rとなる。地球にとって、それは二つ目の大型衛星だった。
7月 B7Rの潮汐力によるマグマ活動の活発化などにより、巨大地震と火山噴火が同時多発的に発生。
多くの古期造山帯や新期造山帯に属する陸地はそれらの影響により壊滅(【大厄災】)。
他に対流変化(気流の加速と寒暖海流の加速)に伴う積乱雲やハリケーンの猛発達による大雨などにより、山崩れが発生。
この山津波と、大地震に伴う大津波に飲み込まれる形で多くの人間が死亡した(【大海嘯】)。
世界連邦政府は、事実上の壊滅。
以後、人類は以下の四圏に分かれることとなる。
・保護高地都市(ハイランド)
・海上遊弋都市(フロート)
・衛星軌道都市(サテライト)
・空中浮游都市(ステーション)
●保護高地都市(ハイランド)連盟
・『安定陸塊(クラトン)』『楯状地』『卓状地』と呼ばれる大陸プレートの境界には当たらない(つまりマグマの吹き出しやプレートテクトニクスの反発による地震が極めて少ない)地域に属していたために、
大災厄や大海嘯の影響が比較的少なかった地上地域。
・元は地球環境保全の観点から、旧暦での貴族らが中心となりそれらの土地にて保護を行ったことに由来する。
・B7R直後は各楯状地が都市国家としてその領域での生存圏(社会)を構成しており、それが現在も州として残っている。
・十三の州の上位組織として連盟最高議会を持つ連邦国家。
・それら貴族の世襲や議会による指名を受ける貴族院(上院)と、選挙による選出を受ける代議員(下院)の二院制を政治形態として持つ。
・限られた生存圏のために、出生制限や農地制限なども行われている。
・それら都市国家が再び合一するに際して、都市国家を超えた交流能力を持つものとして大企業が作用したために、ときに国家そのものよりも強大な権力の持ち主として語られる。
・棄民政策は行われないにせよ、土地の所有に関しては高い税金がかけられており、これらから逃れるような形で他の地域に(とりわけサテライトに)移住する傾向にあった。そう仕向けていたとも言える。
・その成立の経緯から、ノブレス・オブリージュに対しての思い入れが善きにつけ悪しきにつけ強い地域である。
開戦前の総人口:6億5000万人強
軍事人口:325万人(定数)
陸軍:約105万人
海軍:約88万人
空軍:約81万人
海兵隊:約33万人
宇宙軍:約18万人
予備役:約180万人
1.ハイランド・ローレンシア州(北米大陸――カナダ楯状地)
※ローレンシア大陸に因んで。
2.ハイランド・ゴンドワナ州(アフリカ卓状地)
※ゴンドワナ大陸に因んで。
3.ハイランド・アウストラリス州(オーストラリア卓状地)
※ラテン語のテラ・アウストラリス・インコグニタに因んで。
4.ハイランド・ノルディア州(フェノスカンジア楯状地)
※ノルドに因み、ノルディア。
フィンランド及びスカンジナビア諸国=フェノスカンジア。
5.ハイランド・クマニア州(東ヨーロッパクラトン)
※ラテン語による東ヨーロッパ平原の名称に因んで。
6.ハイランド・エリクス州(グリーンランド・カナダ楯状地)
※発見者、赤毛のエイリークに因んで。
7.ハイランド・アマゾニア州(南米大陸――アマゾン楯状地・ギアナ楯状地)
※アマゾン楯状地、ギアナ楯状地に因んで
8.ハイランド・グレートセリカ州(中国陸塊)
※セリカとは古代ギリシャや古代ローマにおける中国の名。それに因んで。
9.ハイランド・アーリヤヴァルタ州(インド楯状地)
※マヌ法典に出典するインド地の雅称「アーリヤー・ヴァルタ」に因んで。
10.ハイランド・アラビス州(アラビア・ヌビアン楯状地)
※サウジアラビアなどが属するアラビア半島
11.ハイランド・タイガニア州(アンガラ楯状地 ※もしくはシベリア楯状地とも)
※タイガニアは、タイガ(樹木)の土地の意味。
12.ハイランド・アンタルティカ州(東南極クラトン)
※南極の呼び名に因んで。
13.ハイランド・アルビオン州(英ミッドランド・クラトン)
※イギリスの雅称アルビオンに因んで。
●海上遊弋都市(フロート)国家群
・星暦以前からのゲーテッドコミュニティや国家の影響を受けるもの、星暦以後の移民政策によるもの、または企業によって作成されたものなど成立経緯は多岐に渡る。
・当初は赤道下での豊富な日光を活かした農地確保などが行われていたが、多く作られ過ぎたことにより海域の奪い合いとなり格差が生まれた状況にある。
・大海嘯を境に数を減らしたが、再建されるにつれてその傾向は再び強くなっていった。
・結果、自給自足という面よりも『輸出入やその仲介によって利益を確保する』ということが望まれ、その取引相手としてはサテライトが選ばれた。
・ハイランドと貿易を行わないことはなかったが、海上での移動が(特に環境変動によって)大きな危険を伴うようになったのに対して、それに比べて衛星軌道までは距離が少なく行えるためである。
・そんな経緯のため、こちらでも企業群が大きな力を持つ。
・船乗りの国家のような面もあったため、【星の銀貨】戦争において女性の戦線投入が最も遅れた国家である。それ故に大戦後は、女性割合の多さが問題となっている。
・1セルという直径1kmほどの円形の浮島が円周上に8つ合わさって、マスドライバーや電波塔を持つ商業エリアである直径4kmの大型セルを中心としたユニットを形成。
1ユニット、5万人程度の居住を行っている。
40前後のユニットを統括し、ブロックという都市単位を形成。
およそ15ブロック前後で、州のような行政区分としての1群を形成。
1群につき3000万人程度。全海域に9群が存在する。
開戦前の総人口:2億5000万人強
軍事人口:50万人(定数)
陸軍:約13万人
海軍:約9万人
空軍:約11万人
海兵隊:約17万人
予備役:110万人
●衛星軌道都市(サテライト)連合
・宇宙鉱物資源の確保として衛星軌道上に作成された中継地、月における採掘場、B7Rにおける採掘場という形に三分される。
・それぞれ、【夜の方舟(ナイツアーク)】【月の方舟(ルナリアアーク)】【円の方舟(ラウンドアーク)】と呼ばれる地域であり、これらを州としてその上に最高議会を置いた連邦国家の形をとる。
・居住区(ボウル)を一定数で区切って各ブロックと呼び、それを総体させたものがアークである。
・その成立の経緯から、まず世界連邦政府主導で作成された【夜の方舟】、進出した企業都市の側面もありつつまだ世界連邦政府が存在していた時期にできた【月の方舟】、世界連邦政府崩壊後の【円の方舟】と一枚岩ではない。
・月面の酸化鉄の還元という形で酸素に関しては宇宙内での確保が叶っていたが、近傍の資源衛星から窒素の確保量が限られており、窒素は肥料として(そしてアミノ酸などの合成のために必要な成分であるため)必要だった。それがために、食料や窒素の輸入を地上に依存している。
・その力関係から保護高地都市などに対して劣勢であった。
・ただし、ハイランドなどからの移民を受け入れるという建前で新たなボウルの製作への資金援助も受けており、決して一方的な関係であった訳でもない。
・窒素循環の観点から、遺体はフリーズドライ化された後に破砕されて肥料にされるなど、独自の文化を持つ。
開戦前の総人口:4億5000万人強
軍事人口:390万人(定数)
憲兵陸軍:約90万人
宇宙軍:約120万人
宇宙海兵隊:約180万人
予備役:210万人
●空中浮游都市(ステーション)共同体
・住居が限られた地上から空へと逃れた人々。
・噴火の影響によって火山灰等に覆われてしまった地上よりも、一定高度上においてなら日照の問題も少ないという点から建立された。
・その成立は、各企業都市という色合いが非常に強い地域である。
・当初はイオンクラフト(リフター)の原理を利用した飛行国家であったが、激化した対流の影響(大型のハリケーン)などを鑑み、ガンジリウムの力場が解明されてからはこれを主体とした空中国家へと移行する。
・ガンジリウムの確保のためにサテライトとも手を切ることができず、また、自衛力以上の軍事費の削減(というより“重い”軍事関連品をなるべく置きたがらなかったこと)もあってハイランドやフロートと独自の軍事契約を行った地域もあり、前の大戦では中立都市という形となった。
・数度サテライトから誤爆攻撃を受けたものの、直接的な主戦地域とならなかった関係上、中立都市として軍需産業で利益を得た経緯を持つ。
・直径10kmほどの半球ドームの中に、50万人を収容している。
平均的に内2分の1ほどは農地面積とされているため、人口密度は12000人/km^2ほど(およそニューヨーク市ほど)。
開戦前の総人口:1億5000万人弱
軍事人口:25万人(定数)
国家憲兵軍:18万人
空軍:7万人
●自由放浪都市(ロストワール)群
・【大海嘯】や【大厄災】を機に破棄された都市の残骸、
或いは古期造山帯や新期造山帯などの、噴火や地震の被害が予期される地域に暮らす人々。
・諸事情により生息四圏で暮らせなくなった者や、戦時性暴力によって産まれた赤子などの棄民、
故郷を捨てられなかった者や彼らの子孫など、境遇は多岐に渡る。
・いずれにせよ、四圏に属さずそこでの戸籍を持たない。
・悪化した自然環境による災害や四圏に属せなかった人員というその特性から、
固定した国家や都市の形式を保てないものではあるが、相互互助的に社会のようなものの形成も見られる。
開戦前の総人口:不明
軍事人口:不明
開戦前の四圏の総人口は【15億人】あまり。
B7Rの到来により実に人類の総数は、かつての6分の1如何にまで減少した。
飲酒 喫煙 婚姻 成年
保護高地都市 21歳 18歳 18歳 18歳
衛星軌道都市 15歳 15歳 13歳※1 21歳
海上遊弋都市 16歳 18歳 16歳 18歳
空中浮游都市 16歳※2 18歳 男18歳 21歳
女16歳※1
※1 親権者または法定後見人の了承が必要
※2 一部酒類は18歳以上から許可
成年=選挙権及び、法定契約可能な年齢と定義
刑事責任 被選挙権(下院) 被選挙権(上院)
保護高地都市 13歳 21歳 なし※1
衛星軌道都市 10歳 25歳 30歳
海上遊弋都市 10歳 18歳 25歳
空中浮游都市 12歳 21歳 30歳
※1 上院は貴族院であり、原則として被選挙権の相続による。
被選挙権相続による継承については原則25歳以上であるが、
議会によって別段に認められる場合は、成人以上によりこれを認める。
同性婚 重婚
保護高地都市 不可 不可
衛星軌道都市 不可 可 ※1
海上遊弋都市 可※2 可
空中浮游都市 可 不可
※1 所得による規定あり
※2 所得による規定、未成年者に対する扶養特別税あり