『ひっそり静かに生きていきたい ~拾遺録~』の
『おまけ 仕入れ旅行の帰りに』『6 勉強会の状況⑴』に出てきた、
10-10の問題の解き方です。
パソコンのテキストで書いたので分数や乗算の表記、図の描画が美しくないですが、その辺はご勘弁ください。
また、もし間違っていたらこっそり教えて下さい。
【問題】
一辺の長さがある整数である正方形があります。この長方形の左上の点を“あ”、左下の点を“い”、右下の点を“う”とします。
この“あ”の点から秒速1短の速さで“い”に向けて動く点“か”があるとします。また“い”の点から秒速1短の速さで“う”に向けて動く点“き”があるとします。
整数秒後、点“か”、点“い”、点“き”を結んで出来る三角形の面積が、元の正方形の面積の8分の1になりました。
これを満たす最小の正方形の辺の長さを求めなさい。
(正方形の辺の長さ、秒数が整数である事に留意!)
あ┏━━━━━━━━━┓
┃ ┃
┃ ┃
か╋ ┃
↓┃ ┃
┃ ┃
┃ き→ ┃
い┗━━━╋━━━━━┛う
【以降 解答例】
① 三角形“かいき”の角“かいき”は直角なので、面積は、
(辺“かい”の長さ)×(辺“いき”の長さ)×1/2
② 元の正方形の面積は、一辺の長さをxとおくと、x²
この面積の8分の1はx²/8
③ 経過した秒数をt(秒)とすると、
点“か”も点“き”も秒速1で進むから、
辺“かい”の長さ=x-t
辺“いき”の長さ=t
④
ⅰ点“か”は“あ”の点から秒速1短の速さで“い”に向けて動く。
点“か”が点”い”に到達するのはx/t秒後
つまり tの取りうる値は、0<t≦x/t
ⅱ点“き”は“い”の点から秒速1短の速さで“う”に向けて動く。
点“き”が点”う”に到達するのはx/t秒後
つまり tの取りうる値は、0<t≦x/t
ⅰとⅱにより、0<t≦x/t
⑤ ③を①に代入して、
三角形“かいき”の面積=(x―t)×(t)×1/2
⑥ ②と⑤が同じになるから、
x²/8=(x―t)×(t)×1/2
両辺に8をかけて
x²=4×(tx-t²)
全部左に移項すると、
x²-4tx+4t²=0
因数分解をすると、
(xー2t)²=0
つまりx=2t
xもtも整数という条件があるので、最小のtは1。
つまり最小のxは2になる。
x=2、t=1の時、0<t≦x/tに代入するとx/t=2となる
つまりxとtは条件0<t≦x/tを満たす。
よって正方形の辺の長さは2 (答)
(注:綺麗に因数分解してxとtが素直な式になる事から、主人公さんは『綺麗に解ける』と言った訳です)
以上……
なおこれは、実際に高校受験にあった問題を、
① もっと因数分解を素直に出来て、
② その結果時間も長さも単純になるように
作り直した問題です。
本来の問題はtが整数と設定していないのですよ。正方形の一辺の長さだけが整数という事になっていて、解くのに解の公式を使用して、なおかつ『出題者によっては』の部分を考慮しないとマイナスの値が出るという……
そんな問題美しくない! そう思ったので個人的に美しい形へと修正しました。そこでミスがあったら……ごめんなさい、すぐ直します。なので連絡下さい。