元々は変革の季節の何処かに入っていた文章なのですが、校正により残念ながら削除してしまったものです。
一部の貴族からシックルード家がどう見られているかという参考に。
なお語り部は⑷で登場した『彼』になります。
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流れをコントロールするためにもまずは彼自身が動いて、話が通じる相手に近づくべきだろう。
近づく対象としてあげられるのは、現在まさに動いている改革派貴族。
具体的にはアルガスト軍務卿、メルベルグ侯爵、ローチルド伯爵、フェーライナ伯爵、そしてダーリントン伯爵といったところか。
本当はシックルード伯爵も工作対象に含めたいところだ。
何せ鉄道の発生源はシックルード家の三男。
今後起きる変革の原動力となる可能性が高い。
しかしあの家は代々彼や彼の家が理解出来ない論理と価値観で動いている。
鉱山採掘ぶゴーレムを使用するという前代未聞の方法論を取り入れたり、経営公社の給与を常識外に上げたり、平民の一般農家に対して領からの出費で農地整備や農業経営体の規模拡大政策を進めたり。
私事や貴族外交においてもそうだ。
世襲貴族の不文律を破って平民女性を第一夫人に迎えたり、序列が伯爵家最下位でありながら王家と独自の繋がりをもっていたりする。
元が子爵家とは言え理解しがたい家風があるとしか思えない。
価値観が違う以上工作で何が有効かが掴みきれない。
うかつに近づかない方が無難だ。
そう彼は判断する。
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追伸
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