お久しぶりです。
タイトルにある通り、新作公開しました。
「オッソ・ブーコ」というのはミラノの郷土料理で、イタリア語では「穴の空いた骨」という意味です。
この「オッソ・ブーコ」のように空虚な心を抱えた登場人物達が、何をもってその穴を埋めていくのか、が主題です。
そうです、またイタリアが舞台です。
冒頭は1979年のローマですが、物語は主に1989年のミラノを舞台としています。
簡単に言えば、暗殺者の男が被害者の娘を育てる話です。
戦後イタリアは、1960年代から「鉛の時代」と呼ばれる腐敗と暴力に支配された時代でした。
政府や警察、軍上層部は反共産主義を大義名分とし、マフィアや過激派組織と癒着していました。もし、その暗部に深く踏み入れれば検察や判事、もっと言えば教皇さえも暗殺されるような暗い時代です。
そんな時代のミラノ、とある過激派組織の暗殺者として汚れ仕事を一身に請け負う男、ルキーノと、その暗殺者の元で鏡写しのように育てられた少女ローズマリーのお話です。彼の目的と、少女が子どもらしさを取り戻していく上で、どんな苦悩を経て自らの自我を取り戻すのか。
そして、その二人を追う警察官フェデリーニの視点も入れています。彼は汚職を知りながら、秘密裏に彼らの行方を追う正義の警察官……ではないことは物語が進むうちにわかるかと思いますが、この国の暗部とどう向き合い、彼らをどう追い詰めていくのか、それとも国の闇に埋もれていくのか、という感じです。
この物語は後半、歴史上の出来事を起点に物語を動かしていくので、世界史が好きな方は「1989年」というだけで、ピンと来るかもしれません。
イタリアが好きというのもありますが、「鉛の時代」を取り上げる人は中々いないので、書いてみっかとなった感じです。
また、読んでいる人も主人公達の気持ちも置いてけぼりにせず、歴史を説明しすぎず、でやっていければなと思います。
今回は、ハードボイルド物に忠実な世界観になっていますので、もしよろしければ。