https://kakuyomu.jp/works/16818792438029379990/episodes/16818792438029485669
あらすじ
誰かしら、一度でも思ったことはあるのではないだろうか。
少女漫画で言うところの、初恋はレモンソーダの味、というもはや馴染みすぎて慣用句になっていそうな比喩。
雨宮錫はそんな、レモンソーダのような恋に憧れていた。だがしかし彼女は、いや、この社会でそのような経験をすること自体が不可能に近かった。
恋愛指数。その順位がナンバリングされた社会。
そこでは、恋愛指数が高ければ高いほど優遇されるのだ。
雨宮は悲しいことにその恋愛指数が存在しない。
現状、その精神的状態に陥っているのは確認している時点で雨宮一人しかいなかった。
彼女は、そんな自分が許せないと思っている。だってそうだろう。求めているものが手に入らないと人間だれしも悟った暁にはきっと地獄が待っているようだから。
私立篠原高校。偏差値五十六。学力の面で言えば、一般的な高校である。
そこに彼女――雨宮錫は通っていた。
高校に通う道中での出逢いを求めて、食パンをくわえて駆けていた。いわゆるイケメン男子生徒とのエンカウントを夢見て。
だが人生そう、うまくは行かないものだ。
ぜひ読んでみてください!