少し前のことになりますが。
更新を全て終えて、完結しました。耳の虫。
読んでいただいた方、どうもありがとうございました。
書いている時に感じたことを備忘録として残しておきたいと思います。
まず、この「耳の虫」という小説は私が初めて書いた小説で。
これまでも日記やエッセイなどで文章を書くことはありましたが、私以外のキャラクターを作って、環境を設定して動かすような書き物はしたことがなかったのです。
初めてのことというのは何事も学びが多く。
そうか、私はこんなことを考えているんだ、と自分と向き合う良い経験ができたなと考えています。
書き方のクセが出るのも新たな発見。
何事もやってみなくちゃ分からないものですね。
この小説を書くに当たって書きたいテーマは、まだ気持ちを自在な言葉で操れない子供の頃の友人関係の破綻が、その後の生き方にどう影響するのか、ということでした。
昔は仲良かった友人が、別な友達ができることで疎遠になってしまったり、思考が変わっていくことで仲違いをしてしまったりすることはよくあることだと思います。
(静子と真奈のようなドラマチックな展開になる人は少ないと思いますが)
個人的にはもう少し、言葉足らずなところを自然に書くことができればよりリアリティが出たのかな、と反省。この辺は私自身の力不足、言葉足らずですね。
2人が年に一度しか会話できない環境の中で仲良くなっていく様、2人が自分を乗り越え、相手を思いやって大人になっていく様を書いていくことは楽しかった。
静子が真奈との関係を詰めていくことに焦って自己中心的になる様子を書くことは、自分なりに納得できたところです。
その真逆で、2人の仲が疎遠になるところを書いている時が1番辛かった。辛いことを書くことがこんなに辛いものなのかと、1週間も何も話を先に進められませんでした。
そんな時でも、とりあえず思いついた言葉で仮当てとして話を埋めていく、あるいはその部分を空白にして先の物語から書いていき、全体の帳尻合わせで辛かった箇所を埋めていく、という方法が採れることを経験できたことはとても貴重でした。
最後の真奈の結末は非常に悩んだところです。
真奈の手紙の冒頭でも書きましたが、あまりにバカみたい、というか、チープ過ぎやしないかと。
他の結末も用意してみたのですが、収まりがあまりにも悪過ぎた。この辺は私の脳みそのチープさを大いに反省。もっと柔軟な閃きが生まれるよう、心と言葉を磨かねばなりませんね。
大いに得るものもあったし、大いに自分の未熟さに悩まされることもあった。
結果として書いてみて良かったと、自分の中でしみじみと考えられる作品にできたことは、満足を感じています。
さて、今後についてですが。
思いつきのテーマに合わせて短編やショートショートを書いていこうと思います。
まず書いてみないことには何も始まらないし、書き始めることで頭の中でいろいろな考えが浮かんでくるというカタルシスを知ってしまったからです。
時間がきちんと取れる時に、あるいはアイデアが整理し切れた頃に。「おまけ」の章の内容を中編〜長編で書けるといいな、と思っています。
(テーマ重くてしんどそう)
私が書くことが楽しくて、読み手様の中にほんの少しでも何かが残るようなものを書いていきたいと思います。(駄作ばかり書くと思います)
また見かけた時にはぜひ目をかけてやってくださいまし。
それでは、改めて。
「耳の虫」ご拝読、本当にありがとうございました。
空野わん