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VRMMOモノに感じる違和感

最近はVRMMOを読んでいますが、どうしても違和感が拭いきれません。


ほとんどの作品において、主要な登場人物はプレイヤーになるでしょう。彼らは生身の人間としての生活があり、ゲームについて「これは現実ではないのだ」という感覚を当たり前の様に持っているはずです。

こなすべき日常生活があり、ソレを消化しながらゲームを楽しむというのが普通の在り方ではないでしょうか。

ところが最近の傾向としては、これらの「生身のプレイヤーが当然持っているであろう感覚」が平気で無視され、登場人物達はまるで本当の陰謀や危機であるかのように様にゲーム内のイベントに対してうろたえます。
運営会社が存在し、全てが彼らのコントロールの元にあるはずであるのに、プレイヤーは不自然なほどに運営の存在を無視しています。

そして特定のプレイヤーが、特定のNPCと非常に親しく交流してしまいます。これは他のプレイヤーから見れば非常に差別的で、主人公は一般プレイヤーであるのに、よく分からないほどに贔屓されています。

また、平均的なプレイヤーでは対処困難な難易度のクエストがこれでもかと出てきます。

更には「そういうストーリーの作品である」という以上の説明は一切無く、その展開に納得出来ない物が多いです。


「実はゲームではなく、他に存在する惑星上の出来事であるために、運営が全部をコントロール出来ていません」などの設定がある方がまだマシな気がします。(これも使い古されたネタですが)

(※人気作品の中には、捻りの効いた設定により上手く説明出来ていることがあります。3作品ほど見つけました)

上記の環境でプレイヤーがNPCに吐くセリフというのは、あくまでも自身の役割を「演じているだけである」という見方がある以上、非常に無責任に感じられる部分もあります。
(2重人格者か、または詐欺師であるか、現実と虚構の区別がつかない狂人のどれかに見える、と言い換えても良いでしょう)

そこに生活の基盤も命の危機も無い以上、普通の異世界モノの様に書いてはいけない、という縛りがVRMMOにはあるのではないだろうかとそう思います。
「手軽には書けない」という気がします。
人気はあっても書籍化されない作品というのは、出版社が読んでもそういった違和感が酷いのではないでしょうか。

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