これはとある父娘の話。
「あのね、わたしね。ずっと知らなかったんだよ」
娘は父に向って話を始める。
「えっ?何の事だろう?」
急に話を振られた父は何の事が判らず、尋ねた。
父の返事を聞いて、娘は次の言葉を紡いでいく。
「わたしが4歳か5歳の頃にねサンタさんからプレゼントくれたでしょう?」
「そうだね」
「ぽぽちゃんっていう人形なんだけど、覚えてる?」
「よく覚えているよ」
「それでね嬉しくて次のクリスマスも楽しみに待っていたんだ。そしたら、パパがプレゼント持ってきてくれたでしょう?」
「うんうん」
娘の嬉しそうな表情を見て、当時の記憶がふつふつと思い出されていく。
この暖かな表情が急に鳴りを潜め、娘の声のトーンが落ちていく。
「でも、わたしの枕元にプレゼントが無かった。それはどうしてだろう?私何か悪い事をしたのかな?」
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続きは短編集の方をご覧ください。
久しぶりの投稿になります。
クリスマスに合わせて書いてみました。
どこにでもいる、普遍的な少女の心情を書いてみました。
(イラスト かなり昔リハビリで描いたマウス絵です