生まれては壊れていく
そのサイクルを傍観している
どれだけ壊れて放置されただろう
忘れ去られていく残骸
生きている内に残さないと
全ては砂に埋もれていく
歴史が風に溶けていく
いつか全てがなにものでもなくなって
意味を失った記号が
誰かに見つけられるために形を残して
僕らはそれを見つけ出せないでいる
ずっと分かりやすくそこにあるのに
新しく塗りつぶされた見慣れない色が
かつての景色を錆びさせていく
上書きされた外国製の無機質さが
新しい病気の名前と共に独り歩きしていく
いつの間にか避難していたトンネルの中
保存されていたアナログの冷凍写真
閉じ込められた時間が笑っている
僕らの居場所は崩れ始めている
新しい予感は常にまぶしい光を放っていて
ゴールは近いと夢見させてくれる
今度こそ本物なのかも知れない
新しい物語は始まるのかも知れない