「映画観てる？」
「見てるよ」
「映画っていいよね」
「よね～」
「映画、どう言うの観てる？」
「話題になったやつかな」
「ほーん」
「どう言うの見てるの？」
「面白そうなやつ」
「まそりゃそうよね」
「でも映画って観たいのを上映してくれるとは限らんやん」
「ちょま、それ映画館の話？」
「そだよ」
「映画館行くの？ 高いでしょ」
「安い日に行ってる」
「へぇ～」
「地元、ユナイテッドとイオンシネマあるから」
「確か割と田舎だったよね」
「人口１０万人規模やね」
「それでシネコンふたつってすごい」
「じゃろ。でも人気作は２館とも同じ映画やってたりしてちょっと勿体ない」
「仕方ないとは思うけどねー」
「一応特徴もあって、ユナイテッドの方がアニメ映画多くやってくれるんだよね」
「アニメ多いのはいいね」
「まぁたまに遅れて上映だったりするけど」
「田舎あるあるだ～」
「パンフとか買う？」
「昔は買ってた」
「オタクなら買わな！」
「特に好きなのは買ってるよ」
「高いよね、パンフ」
「そうそう、最近は１０００円超えも多くて」
「そんな高いの？ じゃああんま買えんよね」
「昔は６００円のパンフとかあったのに……」
「６００円……内容スカスカそう」
「今そうなのか分からんけど、子供向け映画のパンフはマジで内容スカスカやったよ」
「ぼったくりじゃん」
「まぁホテルの自販機のジュースみたいなもんって割り切ってたけど」
「買うなら文字びっしりのパンフがいいよね。制作秘話が載ってるやつ」
「ジブリ映画のパンフは満足度高かったねえ」
「流石はジブリじゃん？」
「ジブリと言えば、夏の新作は観るの？」
「観ようとは思ってるよ」
「ジブリファン？」
「どうかな？ 昔は苦手だったんだよね。なんか王道の教科書通りの作品かなとか思ってて」
「じゃあいつから観るように？」
「もののけ姫から」
「へぇ～。好きなジブリ映画は？」
「やっぱ千と千尋かなぁ。リピーターがまだ一般的じゃない時代に４回観たよ」
「あの映画って確か２００１年の公開だよ」
「もうそんなになるんだねえ」
「リピータと言えばさ、今のアニメ映画の興行収入を支えてるのはリピーターのおかげだよえ」
「特典商法かな？」
「筋金入りの人は特典なくても観てると思う」
「ネット時代になって好きな作品は何度も観るって文化が生まれたのかな」
「あるかもねー」
「ネット時代の変化と言えばさ、昔はエンドロールが始まったら出ていく人が多かったのよ」
「ほうほう」
「今は出ていく人の方が稀やね。これ、ネットで映画見る人が増えたからだと思う」
「昔と今で違いがあるとしたらそれくらいだもんね」
「やっぱ映画は劇場で観なくちゃだなあ」
「え？ 家では全然見ないん？」
「見ないねえ」
「でもほら、邦画とかほのぼの系の作風ってわざわざスクリーンで見なくても」
「でも観たいなと思ったら劇場で観ちゃうんだなあ」
「劇場が好きなんだ」
「ああ、大好きだぜー」
「じゃあ好きな映画って何？」
「オネアミスの翼」
「劇場で見たの？」
「流石に観てないんだよね。あの映画は名作なので何度かリバイバル上映していたみたいなんだけど、田舎の劇場では上映していなくて……残念」
「どんまい」
「そっちはどうよ、好きな映画」
「う～ん……。色々見てるけどあんまり印象の残ってるのは……友だちの話に合わせるのが多くて。さっき出てきた千と千尋とかは好きだよ。後、君の名は。とかも良かったよね」
「割と話題作って後に残らない内容のものも多いよね。洋画のファミリー向けのものとか」
「映画脚本の作法に忠実すぎて、見ている時は興奮するんだけど予定調和すぎる映画が多いとは感じるかなー」
「観ていて先が予想出来ちゃうよね。一旦負けてー、仲間が助けてくれてー、むちゃくちゃピンチになってー、はい逆転ハッピーエンドー的な」
「映画が展開予想の答え合わせで終わるとね。何を見に来たんだって思っちゃう」
「だからせめて映画は興味を持ったものを観るのがいいよ」
「アドバイスあざっす。でもサブスクなんで別に」
「でも観る時間分損するやろ？」
「ああ、それはねー」
「タイパ、大切よ？」
「タイパって言うと倍速で見ていそう」
「劇場で倍速はないっス。てか、倍速で観てるの？」
「流石に映画やドラマで倍速はしないよー」
「良かった」
「そっちは倍速で見たりするものはないの？ 動画とか」
「ゆっくり喋るやつはみんな２倍速」
「分かる。中には２倍速でやっとちょうどいい動画もあるからね～」
「アレ何なんだろうね～」