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世界を乗せる亀

 ゆっくりと亀が世界を乗せて歩いている
 街灯に照らされて歩いている
 その歩みは亀のように遅くて
 それでも一歩一歩着実に進んでいる

 世界は廻る
 一定のリズムで揺れている
 始まりのはない始まり
 終わりのない終わり

 秘密を何重にも上塗りされて
 僕らは今日も嘘を教えられる
 覚えた嘘を誰かに教えている
 もう本当の方が嘘のようだよ

 定められたシナリオはあるけれど
 しかしそれを誰も知らない
 君は何も知らずに踊ってるね
 とても楽しそうに汗をかいているね

 風は吹き抜けていく
 天と地の間を
 光と闇の間を
 火と水の間を

 風に乗るのは鳥
 目に映るのは星
 優しい闇に抱かれて
 夢の中なら僕らも飛べる

 封印は破られる時を待っている
 いつかは夢もさめる
 祈りは川を下っていく
 亀の涙は世界を潤していく

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