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惰性の小部屋で

 心をこぼして日々を過ごしている
 器は最初から弱くて慎重に生きなきゃいけないのに
 心の向くままに飛ぶとすぐにぶつかる
 傷が出来る度に漏れていく

 楽しい事をいっぱい詰め込んで
 らんらんと光の方に歩いていきたい
 いつもそう思っている
 そう思ってはいるのに

 何も気にせずにいたい
 失ったのにも気付かないまま
 いつまで麻酔が効くのだろう
 周りの景色は変わり続ける

 暑かったり寒かったり
 呼びかける声を無視したり
 同じ画面を見続けたり
 思わず布団に潜ったり

 周りはどんなに変化し続けても
 いつまでも立ち止まったまま
 心の成長を止めたまま
 体はこんなに素直なのにね

 昔の原理で動いている
 あちこちできしむ音がする
 ゼンマイはもう誰も巻いてくれない
 ただ川底に沈んで埋まっていく

 見上げる景色は何もかもがまぶしくて
 偽りの景色すら憧れで
 触れない光を触ろうとして
 駅に電車が着いた事も知らなくて

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