• 現代ファンタジー
  • 異世界ファンタジー

始まりの合図

 ゆっくりゆっくりと流れていく
 コーヒーカップの中に入っている
 くるくるくるくるくるくる回る
 宇宙を何度も往復する

 ずっとずっと見守られていて
 いつしか当たり前になっていて
 そうやって何度も滅びてきた
 メッセージは届いていたのに

 ほうき星がその時を告げる
 まだ準備も出来ていないのに
 星の言葉は新しいノアを選び
 僕らはまた置いてけぼり

 まだまだ甘い汁はにじみ出るから
 誰もがそれにしがみついて落ちていく
 背中の羽に気付こうともしないで
 約束された焼却炉の中へ

 何度も何度も繰り返して
 忘れた理由も忘れてしまって
 いつから周りが見えなくなったのだろう
 その優しい手には毒が塗られているって

 知らないふりをして周りを道連れにしていく
 一度握られたら振りほどけない
 光の正体を疑えない
 自分を助けられるのは自分しかいない

 約束の時が近付いている
 そんな夢を何度も見ている
 無意味な数字があちこちで踊る
 きっとそれは始まりの合図

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する