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油絵のような夜の気配

 ぐるぐるぐるぐるぐる回る
 飛行船が行き先を間違っている
 雲が面白いくらいに渦巻いている
 科学者たちが難しい数式を問いている

 時計塔の時計が狂ってどれだけ経っただろ
 粉砕計画は粉砕されてみんなシュレッダーにかけちゃった
 僕のメガネはいつも曇ってしまうので
 ほらまたうどんが食べられないでいるよ

 木の馬たちが開放された夜
 お地蔵様は静かにうたを歌ってる
 そうやって時代は巡っていくんだね
 もう一度始まっていくんだね

 海からの声が聞こえてこないから
 僕はまだ隅っこでじっとしているよ
 この耳鳴りはいつまで続くのだろう
 この太鼓はいつ叩けばいいのだろう

 お月様は黙っている
 だから僕も真似をする
 産まれる前の事なんて忘れたよ
 不思議な調べが聴こえてくるよ

 伸びすぎた固定概念は
 もう僕のスケールには収まらない
 旅に出た方がいいのかな
 波の静かなこんな夜なら

 間違いだらけの部屋
 調子の外れたオルゴール
 ワンテンポ遅れる電子頭脳
 心の穴から何もかもがこぼれ落ちていく

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