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夜を見上げて

 時計台の鐘が鳴る
 星たちがあくびをする時間
 影の子供たちがくるくる回る
 先生は間違いにバツを付けている

 見上げた空はどこまでも果てがなくて
 ライオンたちも走っていく
 物語が浮かんでは消えていく
 人工衛星が笑いながら逃げていく

 誰にも見つからないように
 今夜も毒がバラ撒かれていくね
 少しずつみんなおかしくなっていく
 変な事が当たり前になっていく

 そうだ 夜は自由なんだって
 あの子は踊りながらそう言った
 それは月のきれいな夜だった
 まるで夢のように思い出せるんだ

 忘れてしまった日々のように
 今日はどこまでも時間が繋がっている
 手を伸ばしたら触れそうで
 きっと触れちゃったらダメなんだ

 注射針のような空気が
 風になって僕の肌をチクチク触っている
 きっとだけどそうやって侵されている
 気が付かない内に何もかも衰えていく

 自由なんてどこにあるんだろうね
 誰も答えてなんてくれやしない
 夜の時間はやがて終わってしまうんだ
 ネズミたちも焦って帰っていくよ

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