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説明台詞なしSSサンプル その8

「さて、これからどうするか」
「いや帰るだけだろ」
「待て待て、まだ分かれ道が残ってるだろ?」

「お前、まさか全部見て回る気かよ?」
「は? お前こそもう戻るつもりなのかよ? このチャンスに」
「チャンスよりも命が大事だ!」

「じゃあ俺だけで行くわ。今までありがとな」
「待て待て! 分かったよ。付き合うよ」
「へへっ」
「気持ちわりー顔みせんな」

「それにしても本当不思議な場所だななここは」
「何百年経ってるのか分からないけど、そう言うのを感じさせないよな」
「実はもっと古かったりしてな」

「マッピング大丈夫か?」
「何だよ、信用してねーのか?」
「いや……」

「じゃあ教えてやるよ、ここの分岐で左の道はまだ未知だ」
「よし、行くか」

「なんか急に生臭い感じになった来たぞ」
「ヤバいな、これ何かいるぞ」
「よーし!」

「いや、敵もいない内から構えるのはえーよ。手に負えないやつだったらどうすんだ」
「攻撃は最大の防御じゃないか」
「逃げる時に武器をしまう手間が命取りになるかもだろ!」
「ふん、死ぬ時は前のめりだ」
「死ぬ前提で動くな! 死なせねーから!」

「!?」
「何かが……」
「余計な動きはするな、来るぞ!」

「うわあーっ!」
「くっ!」

「お前は逃げろーっ!」
「うおおおーっ!」
「何であいつが狙われたんだ……くそっ!」
「やっぱり1人で来るべきだった。でも俺1人で扉を開けられてたかな……」


「ようこそ主よ。500年ぶりに会えましたね」
「は?」
「貴方様はこの城の王なのです。お忘れかも知れませんが」
「ここが城だって? どう見ても朽ちた迷宮だ」
「こちらに貴方様の残された記録水晶がございます。力を取り戻しください」
「うわ、やめろーっ!」

「そうだ、扉は資格を持つものしか開けられない。俺の事じゃなかったんだ。だとしたら……」

「予想通りじゃねーか! モンスター共、死にたいやつからかかってこいやー!」

「ハァハァ……。伝説の王の間……実在してやがったか」

「おーい! まだ行きてっかー!」
「意外と早かったね……まぁ、来るとは思っていたさ」
「あのタコはどーした? お前がやったのか?」
「後ろだよ」
「なっ……」

「これが贄ですね。王が選んだだけあって活きが良い」
「おまっ、こいつに何をした!」
「王には記憶を取り戻して頂いただけの事……」
「記憶だぁ? ただの洗脳じゃねーか。元々の感情がねえだろ」

「元々の感情? 記憶を受け継げる器があればいいのですよ」
「んなろー!」
「ギャアアア!」

「お前、普通の人間ではないな!」
「ああ、違うね。お前らと同類だよーっ!」
「王よ、ご指示を!」

「ああ、許す。封印解除!」
「ふんぬー!」
「ぐあああっ!」

「お前も人を超えてはいるが、相手が悪かったな……」

「くく……」
「なんだ? 何がおかしい……」

「俺はてっきりここにお宝があるのだとばかり思ってたんだわ」
「あてが外れて残念だったな」
「ああ、だから相棒は返してもらう!」
「お前はここで死ぬのだ! 望みは叶わぬ!」

「舐めんじゃねえよ! 真理開放!」
「何ぃ!」

「あれ?」
「よう、気がついたか? 今日の冒険は終わりだ」
「何か記憶が飛んでんだけど、一体……」
「気にすんな。大したこたァねぇよ」

「でもアキラ、また無理したんじゃ……」
「だから大丈夫だ。責任感じてるなら明日も付き合え」
「分かった。でも次は無茶させないからな」

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