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たったひとつの黒い点

 壊れた時計がずっとずっと震えている
 白い夜にコウモリ達がランデブー
 いつも文字を打ち間違ってしまう
 いつの間にか時間は過ぎ去っている

 静かな静かなこんな夜に
 ひやりとナイフが首筋を狙う
 そんなしっとりとした緊張感
 気がつくとどこかで音がする

 知らなくていい事ばかり知ろうとして
 今日も僕は空振りしてる
 頭から振り子が迫ってきているけれど
 画面を見ているから分からない

 夜の何かに蝕まれている
 頭痛が陽気に挨拶をしている 
 歪んでいく景色に笑い声が聞こえる
 どうしてみんな笑っているの

 不安が形とってべらべら喋っているから
 僕は耳をふさぐしかないんだ
 何もしなくても物語は進んでく
 誰かがこっそりとネジを巻いている

 夜の洪水の中で何かが無意味に増えていく
 取り残されたって構わないのさ
 ゆっくりと溶けていくのが気持ちいい
 暗闇のエキスのゴクゴクと飲み干すよ

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