コスモスたちが風と遊んでいる
遠く高い空は何かも吸い上げている
ゆっくりまぶたを上げて背伸びをする
どこかで猫が眺めている
約束を忘れて
忘れたふりをして
今日も予定通りの一日を送る
バスが道を横切っていく
誰もがそれぞれの許容範囲で
許された一日を送っている
頭の中で秒針の音が響く
その枠の外には何があるの
いつもと違う道を歩く
いつもと違う景色に出会う
コスモスがたくさん
まるでこの季節を喜ぶように
嵐の過ぎ去った空
静かすぎる気配
時間の感覚を忘れる
ほら
手を差し出せば
見えない何かが手のひらで踊る
悲しみはやわらかく滲んでいく
どこまでもやさしい
変わらない営みが
こうして今に続いている
誰にだって相応しい場所がある
何度忘れても思い出そう