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ちょこまど小話

書きたかったけど本編に入りきらなかったお話をこちらに投稿します◝(⁰▿⁰)◜✧
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 オルフェンはさっぱりと片付いたテーブルの上に、透明なティーセットを置く。ティーポットとティーカップとソーサーは宝石のようにカッティングされており、窓から差し込む陽の光が当たると、虹色の光を反射させる。
「綺麗なティーセットですね。まるで水晶で作られているみたいです」
「実際に、水晶で作ったものだよ。以前、対価としてもらったんだ」
 テーブルの上に、薄っすらと虹色の膜を帯びた光の影が落ちる。
 オルフェンは外に出て香草を採ってくると、流し場で洗って丁寧に水気を切る。そうしてティーポットの中に入れた。
 続いて薬缶を魔法で引き寄せると、ティーポットの中にお湯を注ぐ。
 柔らかな緑色の葉と小さなクリーム色の花が、透明なティーポットの中でくるくると踊る。
 少しおいて蒸らした後、オルフェンは慣れた手つきでティーカップに注いだ。
『はい、どうぞ』
「ありがとうございます」
 受け取ったフレイヤは、カップにふーっと息を吹きかけて冷ます。まだ湯気の立ち昇るカップに小さく唇を当て、少しだけ口に含む。
 ゴクリと飲んだフレイヤは、カチャンと音を立ててティーカップをソーサーに戻した。目を見開き、口元を片手で押さえている。
「こ、この味!」
『不味かった?』
「いいえ、とても美味しいです。それに、味も香りも祖父が淹れてくれたお茶と同じで、懐かしくなりました」
『当たり前だよ。だって、カリオが教えてくれたんだもん』
 オルフェンは誇らしげに胸を張る。ティーポットを手に持つと、上目遣いでフレイヤに視線を向ける。
『ねぇ、おかわりいる?』
「ええ、お願いします」
 上機嫌のオルフェンは、ティーカップに並々とおかわりのお茶を注ぐ。
「わー! オルフェン、これは入れすぎです! カップから溢れてしまいます!」
 フレイヤは悲鳴を上げたものの、出してもらったお茶を飲まないのは失礼に当たると思い、一生懸命バランスを取りながらティーカップを口元に当てた。

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