テロリストの「グランデコ」という名称は、ヘンリー・ダーガーの小説「非現実の王国で」から借用している。ダーガーは小説家ではなく、精神障害を持つ清掃夫として一生を終えた男だ。
秘密のまま60年間書き続けられたこの一大長編は、彼が亡くなってから発見された。郵便夫シュバリエの建築「夢の王宮」に匹敵するアウトサイダー・アートとして有名。なんたって1万5000ページ以上あるし。
「非現実の王国」の正式名称は、「非現実の王国として知られる地における、ヴィヴィアン・ガールズの物語、子供奴隷の反乱に起因するグランデコ・アンジェリニアン戦争の嵐の物語」。ここからグランデコという名前を拝借した。
この名称を頂いたのは、ゴロがいいとか名前が気に入っているとかではない。「夜の翼」設定に生かせば面白いと思ったからだ。
つまり――。
「夜の翼」世界の歴史の裏では、インセクツの盗掘遺物が流通しており、それによる精神感応によってダーガーは精神障害になった上でこの小説を書いたし「グランデコ」を登場させた。中国黒社会の悪党一派も同様な感応を受け、「グランデコ」という名称を用いた。
このへん、「実は中国の内戦は――」とか「ナチス迫害を逃れたユダヤ富豪が――」とかなんとか、当方の妄想はとどまることを知らず広がっているのだが、長くなるんで今日は書かない。気が向けば今度書いちゃうかもだけど、ネタバレ激しくなるんで、どうしようかな。。。。