1968年4月、アメリカアイオワ州ルの小学校で人種差別についての実験授業が行われた。小学3年生の担任であるジェーン・エリオット先生は、キング牧師の死後、黒人指導者に無神経な質問をする白人の解説者の傲慢な態度を見た。そして「子どもたちを差別意識というウイルスから守りたい」という思いを持ち、次の日にある実験授業を試みた。クラスを青い目と茶色い目の子どもに分け、「青い目の子は5分余分に遊んでもよろしい」「茶色い目の子は水飲み場を使わないこと。茶色い目の子はダメな子です」というように、青い目の人は優れ、茶色い目の人は劣っていると決めて1日を過ごすというものだ。逆に翌日は茶色い目の人は優れ、青い目の人は劣っているとして生活する、というものだった。エリオット先生のこの授業は差別される側の気持ちを実際に体験し、子どもたちの人種差別に対する考えを変えることができた。そして、もう一つ重要なことが判明した。実験授業の2週間前と授業をしている2日間、そして授業の2週間後に国語と算数のテストを行った。子どもたちの点数は優れているとされているときに最高で、劣っているとされている時に最低を示した。そして、授業後はクラス全体の成績がかなり高くなったという。2日間の授業で大切なことを学び、その大切なことを学んだという意識が生徒たちに自信を与え、優れていると言われた時の高い得点を維持できるようになったのだった。
エリオット先生の実験授業は大人にも子どもにも人種差別と真剣に向き合い人種差別を身近なものとして捉えることを可能にした。
皆さんはこの実験どう思いますか?