知る人ぞ知る噂のバー……カクヨム二丁目の路地裏で、とっても優しいが時としてとっても厳しいママンが店を切り盛りするオネェパブ【ダンディ】
今回はありそうでなかった組み合わせ、イコさんとシウで対談です。
どんな本音が聞けるのでしょうか?
ちょっと楽しみ、でも修羅場になりそうで怖い……(笑)
「ねぇ、シウ。念願の恋バナなんだけどさー、本当にこの店で良かったの? もっと女子って感じの可愛いお店でもよかったのよ?」
「別にお母さんとゆっくりできるならどこでもいいよ。それにここにはユウとも来たことがあるし」
「そ、そう? それじゃ……ママー! 今日は娘を連れてきたわー! よろしくねー!」
【 移動中 】
「ところでさ、シウとユウくんってどんな感じなの? お母さんに色々教えてよー🎵」
「それよりお母さん……結婚してたのに、ずっとユウとエッチしてなかったってどういうこと?」
「………え?」
「私にとっては嬉しい誤算だったけど、ユウは健全な27歳の成人男性なんだよ? なのに魔法使い手前までお預けって、どれだけ傲慢な女なの⁉︎」
「ち、違うの、シウ! これには深い理由があって!」
「深い理由? それなら聞いてあげるけど、しょうもない理由だったらお母さんが大事にしている年代物のワインを叩き割ってあげるから」
「(こ、この子、目がマジだわ!)わ、分かったわ! 実はお母さんね、シウくらいの時に好きな人ができて、その人との子供を妊娠したと思ってたの! でも結局別れちゃって、色々あったせいで性行為恐怖症みたいになってね、キスすらまともにできなくなったの」
「………え、性行為だけじゃなくて、キスも我慢させてたの? お母さんたちって何のために結婚してたの?」
「(しまったー! 余計に怒らせてしまったー!)ち、違うのよ! ユウくんがってわけじゃなくて、他の男も無理だったのよ?」
「でもお母さん、浮気してたよね? ここ最近、泊まりが多かったのって、浮気してたせいだよね?」
「(し、シウの視線が痛い……!)そ、それには深い理由が……! あのね、元々お母さんと交際していた守岡さんと久しぶりに再会して、シウの親権の事とか、色んな立て込んだ話をしてたのよ。決してやましいことはしてないから!」
「———キスも?」
「え?」
「キスもしなかったの? ユウとはキスもろくにしなかったのに、その人とはキスしたの⁉︎」
「ご、ごめんなさい! キスはしましたー! だってずっと好きだった人に求められたのよ? 揺れるでしょ? それは!」
「………まぁ、今となってはむしろ感謝だけど。お母さんの代わりに私がユウを幸せにするから」
「そ、そういえば二人はどんな感じ? もうチューとかしちゃったの?」
「……そんなのとっくの昔に済ませたよ?」
「え?」
「お母さんが帰り遅い時とか、泊まりの時とかイチャイチャしてたから」
「う、嘘でしょ! そんなの聞いてないんだけど!」
「言うわけないじゃない。でも私はお母さんが浮気してるの知ってたから、おあいこだと思ってたけど」
「そんなのにおあいこも何もないよ! 本当に何を考えてるのー! ユウくんはそんな人じゃないと思っていたのに、思ったよりも獣じゃない! もしかしてエッチもしたの⁉︎ もう経験済みなの?」
「それは……まだだけど」
「はぁー……良かった♡ そこはやっぱり草食ユウくんだったわね」
「でも近いうちにすると思う。ユウもだんだんスイッチが入ってきてるから」
「いやァーッ! 知ってる者同士の濡れ場ほど微妙なものはないのよ⁉︎」
「あ、そういえば私達が飲む前に、ユウと守岡さんが一緒にお店に来たみたいだね」
「あぁ、そう見たいね。終始ケンカばかりしてたってママに聞いたわよ。あのユウくんがケンカ腰になるなんて珍しいわよねー」
「……ちょっと羨ましいな。私、そんなユウを見たことがないから」
「そう? まぁ……ユウくんは大学生の時に両親を亡くしてから、人よりも色んなことを我慢しながら生きてきたからね。真面目すぎる子だけど、優しいユウくんも子供っぽいユウくんも、どっちも本当のユウくんだと私は思うわ」
「……お母さん」
「特にシウ、あんたと一緒にいる時のユウくんは本当に優しい目をしていて、大事にしているのが伝わってきたわ。だから自信持ちなさい。ユウくんにとってあなたは十分特別な人間よ」
「———ありがとう、お母さん」
……っと、最後はちょっといい話風にまとまりました。ん、まとまった?
この二人にはもっと色んなことを語ってもらいたいので、また後日対談をアップしたいと思います^ ^