• 現代ドラマ
  • 詩・童話・その他

十月の近況報告

お疲れ様です。
いつも気にかけて下さる方、本当にありがとうございます。
龍が佳境に入っていることもあり読むペースが、元々遅いのですが、さらに遅くなっています。基本的にフォローしている作品は全話読みます。読み合いとかでなく単純に読みたいので。ただペースは本当に遅いのでご了承ください。

短編集始めました。
単発、不定期、ゆっくり更新です。自分の練習も兼ねているので気が向いた時、思いついた時に書いて更新するつもりです。

小話集。
始めるタイミングを探っています。

新作。
来月には始まるのかも知れない。

こんな感じです。色々書いていきたいですね。
では皆さまご自愛くださいませ。



以下感謝の小話です。

 ふらりと一人で下見に行った時だった。私は町で見慣れぬ食べ物を見つけた。丸く薄焼きにした小麦の生地を使いフルーツや生クリームを包んだ奇妙な食べ物で、名をクレープと言った。
 初めは興味本位だった。私はそれを食べてみた。するとどうだろう、口の中で広がる得も言われぬ美味さ、いや、甘さ。体が、脳が、これだと叫んでいた。この出会いは僥倖であった。私はこれがきっかけで甘いものに嵌まった。
 それから数年、下見のたびに私は甘いもの巡りを敢行した。その中で気が付いたことがあった。それは甘いものにも流行があると言うことだった。
 クレープに始まり、ティラミス、クレームブリュレ、そしてタピオカ。私は中でも特にタピオカに嵌まった。しかしタピオカの流行は長く続かなかった。しかも他の甘いものは流行が終わっても少なからず残っているのにタピオカはほとんど姿を消してしまったのだ。雲隠れ、いや、神隠しである。私は神を呪った。
 そんな私を慰めてくれたのがナタデココだった、が、これじゃない感は否めなかった。それからもパンナコッタ、ベルギーワッフルと魅力的な甘味の流行は繰り返された。だが私を真に満足させてくれるタピオカのような存在には出会えなかった。
 そして1999年7の月。生チョコを口に私は、もうやっちまうか、と決意しかかっていた。もともとそのためにしていた下見である。しかしここで私を思いとどまらせたのはやはりタピオカであった。もう一度あの味を、あの食感を味わいたい。その想いがどうしても消えなかった。
 微かな希望を胸に私は時を過ごした。マカロン、生キャラメル、その他生もの。なんでも生を付ければいいってもんじゃないと、希望を失いかけていた時、ついに時は訪れる。第二次タピオカブームである。しかししかし喜び勇んだのも束の間、再びすぐにタピオカは姿を消してしまった。
 なんでだ、なんでなのだ、パンケーキを涙に濡らしながら湧き上がる衝動。やっぱりもうやっちまおうか、そう思った2012年12月。けれど結局私はタピオカを諦めきれなかったのだ。
 時は過ぎる。厚くなったり薄くなったりパンケーキ。冬でも食べるかき氷。プリンは次第に固くなる。もうだめか、もうだめなのか、そう思っていた私の前についに訪れた第三次タピオカブーム。
 私は貪り食べた。今までの渇きを潤すように飲んだ。自他共に認めるであろう過去最大級のブームであった。まさしく天国であった。このままこれが続けばいいと思った。なのに……。どうしてだタピオカよ、どうしてすぐに消えてしまうのだ。

 2020年、三度やっちまおうかと思いつつ、チーズティー片手に記す。大王。


感謝の小話、スウィーツ好きな恐怖の大王の手記

8件のコメント

  • 大王ww
    世界はタピオカに救われていたんですね。
    タピオカがすぐに消えるって、大王が貪り食べたからですか?(^^)
  • 大王は分別のある良い恐怖の大王なので貪り食べると言っても対象が絶滅するような乱獲は行いません。自然の恵みを分けていただいているのです。あくまでタピオカは自然淘汰、大いなる自然のサイクルの一部として消滅しているのです。

    ちなみに自分も甘いもの好きです。タピオカもたまに無性に食べたくなったりします。

    いつもお付き合いいただき本当にありがとうございます。
  • てつひろ様
     
     タピオカって、こんなに何回もブームが来ていたのですか! 知りませんでした(^^; それにしても、ブームをよくご存じで(*´▽`*) 
     てつひろ様、おっと違った大王様、私よりも流行りをご存じですね! 
     本当に、世の中次々新しいスイーツが出てきますよね~日本は特に仕掛け人も熱心ですし。
     スイーツ好きな大王様、なんだかかわいいです♡
     ちなみに、KOIティーのタピオカはモチモチなのですが、コンビニとかのタピオカはこんにゃくみたいですね( ゚Д゚) 私はモチモチが好きです。
  • 涼月様
    タピオカは何回もブームになってますよね。やっぱりなんかたまに食べたくなるからでしょうか。まあ、仕掛人次第な所ってのが実際なのかも知れませんが。
    大王は甘いものに目がないので流行りにも目ざとく生きてるんです。
    モチモチタピオカ美味しいですよね。自分もコンビニ以外のお店のを初めて食べた時は驚きました。なるほどこれは流行るはって思いましたね。
    コメントありがとうございます。
  • どうも、こんばんは。
    コメント失礼します!

    タピオカ、その内ブームも終わるんだろうなと考えていましたが、全然そんなことはなく度々ブームになるのが凄いですよね。
    その流行に敏感な大王様、さすがです♪

    そして「黒血の魔物」を最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
    とても嬉しいです♪

    では、夜中に失礼しました……!
  • こんばんは^^

    拙作『ケンタとみゆり』をお読みいただき、たくさんのお★様をいただきましてありがとうございます!
    全エピソードを拾ってくださったみたいで…とても嬉しいです( ノД`)💦
    実験的なゲームブックで、拙い部分も多々あったかと思いますが、少しでもお楽しみいただけていましたら嬉しいです。
    ありがとうございました♡m(_ _)m
  • グオティラス様
    こんばんは。コメントありがとうございます!
    タピオカはなんと言うか地力があるんでしょうね。まあ、そんなに語れるほど自分も分からないのですが。
    大王はさすがなんです。なんたって大王ですから。

    「黒血の魔物」面白かったです。物語にバトルを絡めるのと、戦闘描写がやっぱり上手いです。キャラクターのスピードに合わせて読むスピードも上がって行って、気付くと息を止めていた、みたいな感じです。
    あと提示されている不自由な二つの選択肢に対して別の第三の答えを出そうともがくのがいいですね。
    ご丁寧にお礼をありがとうございました。
  • 黒須友香様
    こんばんは。
    ゲームブック形式面白かったです。昔ドラクエのやつとか読んだなあ、とちょっと懐かしみながらも楽しめました。
    結局全部気になっちゃうんですよね。そして気になっちゃうのは裏側のエピソードを感じさせる黒須様の手腕にもよるところが大きいと思います。あとキャラクターが本当によいです。彼らが何かしてるだけで読みたくなります。甲斐君の吹っ飛び芸とか、待ってましたって言いたくなります。
    ご丁寧にお礼をありがとうございました。
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する