いつもご愛読ありがとうございます。
どうも、気の言です。
今回でTireシリーズもついに100話目を迎えました。
内容としては前回の続きではありますが、一応キリのいいものになっています。
それにしても、100話目ですか……
Layerシリーズが51話なので、Tireシリーズはその約2倍の話数になりますね。
長かったような、短かったような、不思議な感じです。
今まで多くの読者に応援をして頂き、それを励みにここまで書き続けることができたと思っています。
本当にありがとうございました!
そして、これからも本作「マイグレーション」精一杯読者の皆様に楽しんで頂けるような作品になるように精進して参ります。
どうぞ、これからも応援の程よろしくお願い致します。
さて、この流れでお伝えするのは非常に申し訳ないのですが、次話の投稿は諸事情により二週間前後を予定しています。
本当、申し訳ありません!
お詫びとして、下に今回の話の内容についてちょっとした解説を書いておきました。
これを読めば、少しわかりづらかった部分も理解しやすくなると思います。
気になった方はぜひお読み頂ければ幸いです。
「マイグレーション ~現実世界に入れ替わり現象を設定してみた~」
https://kakuyomu.jp/works/16817330668187679404【解説】
ここからは「Tire100 観測外」をお読みの上での内容となります。
ネタバレ厳重注意なため、お気をつけください。
まず初めに、マノが「ちっ……未来でも見えてるって言うのかよ……」と言ったセリフについて軽く解説を入れておこうと思います。
意味がわかっているよという方は読み飛ばして頂いて構いません。
このセリフはマノに事件の証拠となる映像を通してメッセージを送って来た何者かは未来でも見えていると半信半疑ながら疑っていることを表しています。
では、なぜマノは未来が見えているなどという非科学的な発想に至ったのか。
それは、メッセージの伝え方に根拠があります。
本文中にもありましたが、今回のメッセージの伝え方はあまりにも偶然に頼っています。
広崎が無罪を訴え続けてそれが手塚課長の耳に届く確率、六課がスクランブル交差点通り魔事件を再捜査する確率、証拠映像による捜査に重点を置く確率、画像検索による捜査を行う確率、伊瀬が映像を選ぶ確率、メッセージを伝える人物が映っている場面を一時停止する確率、マノがメッセージに気づく確率、等々……
確率の大小はありますが、様々な偶然が重なってようやくメッセージとしての役割を果たすわけです。
まさに天文学的な確率です。
そんな確率でメッセージを確実に伝えるには、未来を全て把握していなくては不可能と言えるでしょう。
そのため、マノは未来でも見えているのではという考えに至ったわけです。
次に、マノの様子についてです。
今回の解説の本題となります。
読者の方の中にもマノの様子がマノパートと伊瀬パートでは乖離しているように感じた方もいるかもしれません。
マノパートの描写ではマノはメッセージの内容に驚きながらもあらゆる可能性を考えて冷静に思考しているように感じられます。
しかし、伊瀬パートの描写ではマノは虚ろな様子で憔悴しきっているように見えます。
足取りもフラフラとしていて、意識もどこか朦朧としています。
ある種、違法な薬物によってロー状態にあるような感じと言えます。
この乖離には理由があります。
本文の最初の方で『ガタンッ!』という描写があります。
そこからマノはあらゆる可能性を考え続け、本文の約半分弱の文字数を使って「ちっ……未来でも見えてるって言うのかよ……」という結論に至ります。
一方、伊瀬のパートでは『ガタンッ!』という描写の後に伊瀬と美結のセリフ、そしてマノ沈黙が数行だけ入ってすぐに「ちっ……未来でも見えてるって言うのかよ……」というマノのセリフが聞こえてきます。
つまり、マノはあれだけの膨大な思考を実際にはほんの数十秒で行っていたわけです。
人間では到底考えられない程の思考速度です。
マイグレーターのマノといえど、それは例外ではありません。
マノがフラフラと六課を出て行こうとしていた時には、おそらく脳がオーバーヒートしていたものと思われます。
マノ自身はそれに気づいていなさそうですが。
この点がマノパートと伊瀬パートに見受けられた乖離の原因というわけです。