カクヨムコン参加中の作品、【私が大聖女♂様のお世話係!? ~虐げられていた下級聖女のはずなのに、何故か溺愛されています~】の番外編を書きました。
https://kakuyomu.jp/works/16817330664614031024どこに載せるか迷いましたけど、近況ノートに書くことにしました。
本編には入れる隙間がなく、後からオマケエピソードとして追加するにしても、あまりに短いので。
本編に頂いたコメントを見て思いついた小話。
『第7話 聖女のお仕事と聖女の紋章』の後日談となっています。
未読の方は注意してください。
◇◆◇◆
ここは大聖女様のお部屋。
中には女装を解いたミシェルと、お世話係のマルティアがいる。
「マル、この前俺に、聖女の紋章を見せてくれようとしたよね」
「は、はい! その節は大変な失礼をしてしまって、申し訳ございま……」
「いや、いい。それよりさ、マルの紋章って、鎖骨の下にあるんだよね。だったらこれに着替えれば、俺も紋章見れるんじゃないの?」
そう言ってミシェルが出してきたのは、どこから持ってきたのか、女物の水着だった。
この世界に水着があるのかって? 今回は番外編だから良いのである。
ミシェルの言う通り、マルティアがこれに着替えれば紋章を見る事ができるのだが。
「そ、そそそ、それを私が着るのですか!? で、でもそれ……ろ、露出が多すぎませんか?」
「当たり前だよ。でなきゃ紋章が見れないでしょ」
「そ、それはそうですけど~」
「あ、言っとくけどこれは紋章を見るためだから。決して他意はないからね。さあ、早く着替えて。大聖女命令だらね!」
興奮するミシェルだが、反対にマルティアは今にも泣きそうな顔をしている。
男性に免疫の無い彼女にとって、男の前で水着になるのは拷問に近いのだ。
しかしミシェルは大聖女。マルティアがその命に背くなんて、できるはずもなく……。
「ぐすん……わ、分かりました。ミシェル様がそう仰るなら……着替えます~(泣)」
マルティアの頬を、堪えきれなくなった涙が伝う。
羞恥心がいっぱいで、もうふらふら。今にも倒れてしまうのではないかと、心配になる。
するとどうだろう。さっきまではしゃいでいたミシェルが、スッと素の表情に戻る。
「あ──ごめん。なんか調子に乗ってた。やっぱり着替えなくて良いから。何だか自分のことが、パワハラとセクハラしてる最低野郎のような気がしてきた。本当にごめん」
申し訳なさそうに謝るミシェル。
本当は紋章よりもマルティアの水着姿が見たくて仕方なかったが、羞恥で涙を流す彼女を見て罪悪感の方が勝った。
そもそも大聖女とあろう者が、女の子の水着姿を見ようなどという煩悩丸出しの願いをするなって話だ。
こうしてマルティアの紋章を確認する事は、今回もできなかったのでした。
◇◆◇◆
ノリと勢いだけで書きました。
素のミシェルは、こんな感じです!(^^)!