ネット小説大賞が小説家になろうさんで始まりましたが、私は
、まだ、試し書きの段階です。
間に合うか不安です。
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「お嬢様! お嬢様!」
お嬢様? 俺のことか?
目を覚ますと、正統派メイド服を着たかわい子ちゃんが、俺に声をかけていた。
頭が痛い。
俺はのっそりと体を起こした。
すると、胸の辺りが猛烈に重力に引かれる。
病気か?
「お嬢様、お体の具合はいかがでしょうか?」
メイドさんが恐る恐るといった口調で俺に話しかける。
「頭痛がします。薬はないですか?」
「はい! ただいまお持ちします」
メイドさんは、部屋から出て行った。
ここはどこだろう?
ズキズキと頭痛がして辛いが、俺は辺りを見回した。
やたら広い部屋で、高級そうな木製のテーブルや椅子がある。
ネットで見たイタリア製の家具みたいに、足が細くて、品の良い茶色のテーブルの上には、これまた高級そうなティーセットが置いてある。
俺が寝ていたベッドは、天蓋付きのお姫様仕様で、縁をレースで飾りつけた枕や布団が、乙女乙女していて、見ただけで吐きそうだ。
やけにスースーするなと思ったら、俺はネグリジェってやつを着せられていた。
こんなの着てられるか!
ジャージ持ってこいよ!
家で寝ていたはずなのに、何でこんな所にいるのだろう?
二十連勤でプロジェクトを片付けて、やっと休みだと思ったのに、気持ちの悪い乙女仕様に囲まれている。
何やらさっきから胸が引っ張られるな……。
俺はネグリジェを脱ぎ捨てて胸を見た。
えっ!
なに? この乳?
両手で自分の胸をぎゅと握ってみる。
「アイタタ!」
この豊かな胸は何事だ?
そして気がついた。
ない!
ないのだ!
マイサンがないのだ!
「んほー!」
お嬢様! どうなさいましたか!
俺の悲鳴を聞きつけて、メイドさんが飛び込んできた。
俺は見た。
メイドさんが入ってきたドアの近くにある鏡を。
鏡には、黒髪巻き髪のキツそうな美人が立っていた。
「どうなっとんじゃー!」
俺は失神した。