翌日、俺は薬草採集に向かった。
薬草採集は、初心者向けの仕事で、あまり割が良くない。
だが、俺は穴場を知っている。
今の季節は春だが、この時期になると薬草が沢山生えている場所を知っているのだ。
町を出て北にある山道を登る。
この辺りは、よく霧が出るので道に迷いやすい。
俺は何年も時間をかけて、このエリアを探索し目印になる物を見つけてきた。
鞄に似た形をした岩、西側だけ枝が張りだした大木。
目印をつたって薬草の群生地に到着した。
今年も大量に薬草を採集出来た。
喜び足取りも軽く帰路についたが、いつもより霧が濃く、道に迷ってしまった。
「えっ!?」
目の前に、朽ち果てた古城があった。
(まだ、調べていないエリアがあったが、こんな古城があるとは……!)
何かお宝が残っているかもしれない。
期待に胸を膨らませて、古城を探索したが何もなかった。
ガッカリして、腰を下ろすと、古ぼけた石板が目に入った。
手に取って見るとズシリと重い。
生えている苔を手で落とすと、見たことがない文字が書かれていた。
(全く読めないな……)
俺も簡単な読み書きは出来るが、知らない文字はお手上げだ。
石板の文字を手でなぞっていると、石板が光った!
「うおっ!」
俺は石板の強烈な光に包まれ意識を失った。