我が家の2代目家主がテレビを破壊した。
突然1階から異音が響いたので恐る恐る降りてみると、20インチの薄型テレビが無惨な姿に。
人生の大半無職の私が就労していた時期に初代家主様のために購入した貴重なテレビ、画面にヒビが入り油が滲んだような複雑な映像が虚しく流れ、視聴覚機器としての生命を閉じることになる。
内心胸がざわついたが、立場の脆弱な居候に抗議の声は上げられず、表面上は平静を装った。
他にもバケツが破砕されランドリー・バスケットも半壊、道具に憑依する物の怪『付喪神』の悲しみが聞こえてきそうだ。
次は何が破壊されるだろうかと、考えれば憂鬱でならない。