昨夜完結いたしました。
お読みくださっている皆様ありがとうございます。
アリ・アスター監督の『ボーはおそれている』という映画がありまして。主人公の男性が、怖い母親が死んで、主人公が母親のところに旅をする……そんな内容なんです。
前作の『ミッドサマー』もそうなんですが、見終わった後、謎の癒され感があるんですね(私は、ですが)。
で。私、アーサー王伝説が大好きで特にアーサー王の甥ガウェイン卿が好きなんです。
そのガウェイン卿の兄弟がめちゃくちゃ濃いメンバーで業が深い人たちなんですね。
中世ヨーロッパでの有名な設定を紹介しましょう。
長男ガウェイン卿は愛する弟ガレスとガヘリスが最強のランスロット卿に殺されたことで、アーサー王の円卓の騎士団を真っ二つに引き裂きします。
次男のアグラヴェイン卿は弟が殺される元凶の出来事「ランスロット卿の王妃との不倫を糾弾する」をやります。
三男のガヘリス卿は母のモルゴースを殺します。
四男のガレス卿は唯一手を汚さないキラキラした騎士様(なのですが、彼が母モルゴースを殺したという解釈もあります)
五男のモードレッド卿はアーサー王が死んだと嘘をばら撒き、自分が王になり、攻めてきたアーサー王を迎えうちます。そしてモルゴースとアーサー王という近親相姦の姉弟の子供でもあります。
濃過ぎるのでどうしたらいいかよくわかりませんね。
そして母親モルゴースはロト王、アーサー王、ラモラックと三人の男性を渡り歩いていてなかなか強強です。さらにはモルゴースの妹はアーサー王世界をぶっ壊しにかかる幼女モルガンです
濃い。
というわけでこの五人兄弟にもボーのように叫んでもらおうと思ったので書きました。
叫んでもらうにはホラーにしなければなりません。
そんなところに朗報。
ちょうど横溝正史のホラーとミステリーの賞の募集がある。応募してみることにしよう。あ、10万字から20万字ってある。10万字なんて文字数書けるかなあ?
余裕で10万字超えました。
書いても書いても終わらないのです。
最大の問題はガウェイン卿です。彼は私の英雄なので「問題を解決しようとしてしまう」んです。ハッピーエンドにしようとしてくるんです。おまけに爽やかで熱血!松◯修造?!
ホラーを書いてるのに明るい青春ドラマにしないでくださいガウェイン卿!!
ガウェイン卿のハッピーエンドにしようとする動きを一生懸命封殺しながら、一生懸命皆を不幸にしようと頑張りました。
原典の「絶対アーサー王世界は終了する」パワーにも助けられました。
読んでくださった皆様に『ミッドサマー』や『ボーはおそれている』のような、おぞましいのになぜか癒される不思議体験をしていただけたら幸いです。
お読みくださりありがとうございました。