(ボソッと)
以前、「お茶漬け恋模様」という長編を書いた。
その後、外伝を5本くらい書いた。
だけど、その最中から気になっていたことがある。
あるふたりのキャラクターの関係について。
放置したまま、私は完結させてしまった。
本当は、何らかの決着を書かなきゃいけなかったんだと思う。
だけど、難しすぎた。
自分には無理だと思った。
実際、現実世界なら、何の決着もないまま忘れ去られていくパターンが多かろうと思う。
だから私は「現実なんてそんなもの」という解釈に逃げた。
外伝を5本で「打ち止め」にしてしまった。
でも、喉に小骨は刺さったままだった。
ありがたいことに、今でも読んでくださる方がいらっしゃる。
いろいろな方からいただいたコメントを拝読しながら、小骨の刺さった喉がうずくのはわかっていた。
でも、忙しくなってしまったし。
うまくまとめるなんてこと、できそうにないし。
けれど、いくつものコメントが私に教えてくださったことは多かった。
少しずつ、何かが形になり始めていた。
そして気づいた。
「うまくまとめなきゃ」じゃない。
「彼ならあれから何を考え、どうしたか」を優先しなきゃいけないんじゃないか。
やり残した宿題から逃げるのは、やめよう。
自分の書いた本編を読み直した。
1週間ほど、頭の中でねりねりした。
3時間ほど、パソコンに向き合って、ざっくり打ち込んだ。
2日ほど、わざと放置した。
もう一度パソコンに向き合って、表現や構成を直したり、誤字脱字を訂正した。
書いてみた。1本の外伝として。
表面的には、何も起こっていない。
が、彼の中では間違いなく、何かが動いていた。
それを見届けた人物もいる。
今作のポイントは、「彼が何をしたか」ではなく「彼が何をしなかったか」だ。
果たしてこれが正しいのかどうかは、自信がないけれど。
一応、本編を読んでいなくてもわかるようにはしたつもりです。
「あいつらのことじゃないか」と気づいた人にも、読んでいただけたら。
遅ればせながら、これがひとつの決着です。
「あかね空」もしよかったら、読んでみてください。
いろいろなことに気づかせてくださった、コメント及びレビューをくださった皆さんに、改めて感謝しつつ。
(でも、外伝シリーズはやっぱり陽佑で締めたいので、順番ちょっと入れ替えます)