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クライマックスが先にできる現象

 今楽園の10戦士が登場したあたり。
https://kakuyomu.jp/works/16818023211859110800/episodes/16818093093425844703
 だが漫画家でも時々起こりうる『クライマックスが先にできる現象』発生したので、しばらくクライマックスはお預けという作者的にだけもどかしい展開に。
 なので自分のフラストレーション解消に一部分載せてみる。

巨人の街であったジジイ

 楽園10戦士の筆頭らしい。まぁボスのような雰囲気はある。2mの巨漢で筋肉質のジジイだから。
「久しぶりじゃのう。ひよっこミハエル」
「貴様……きさまぁぁぁぁ……! あれから20年経ったんだぞ! ヴァーレンスディアドコイ戦乱から! なぜ生きている! うおああああああああ゛!! お前は、過ぎ去った幻影として思い出の中で封印されていろ! この世界にお前みたいな殺人貴族の居場所はない!」
 ミハエルが鼻にしわを寄せ、怒気と共に霊気を開放する。筋肉を盛り上がらせる。
 浮遊大陸ティルナノグがミハエルたったひとりの霊気で崩壊の危機に面する。
(中略)
「海王の槍」
 2mはあるジジイが200000kmはある霊気の槍でもって、ミハエルに先制攻撃をする。
「うそ……世界の……終わり……」

 空が落ちてくる。
 天蓋瀑布。

 空夢風音は空から降りてくる水色の霊気の槍を見て上を見上げたまま尻もちをついて怯えている。ようやっとパンチラ気にする程度の心の余裕ができたのか、片手でスカートを抑える。天変地異をどうにかする力は彼女にはない。
「ほんと。だけどこの程度で世界は終わらない。天蓋瀑布の後でもノア生き延びたでしょ? ま、今回は方舟すらいらないけどね! ホワイトライガーのわたしがいるから!
 虎吼光波《ここうこうは》」
 気楽な口調でそれだけ呟き、サリサが右の真紅の目、左の黄金の目――金銀妖艶《ヘテロクロミア》を輝かせ、霊気を出した左手で天空から降りてきた200000kmの槍を止める。
 彼女の3段フリルスカートは思いっきりめくれるが、仕方ない。天変地異の最中では。
 ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!
 彼女の気楽な口調とは裏腹に、サリサの左手からものすごい勢いで大地が揺れる程の霊気が噴出している。
「ううう゛ぅぅううう゛う゛ううううう゛うぅぅぅぅうううぅぅうう゛んッ!
 お゛あああっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ゛ぁぁぁぁぁああ゛ああああぁあ゛あ゛あああっ!!」
 可愛い顔して、顔に血管浮き上がらせて、犬歯を見せびらかして獣のような叫び声をあげるサリサ=アドレット=ティーガー。
「かなわない……こんなのいくら鍛えた所で、追いつくはずもない」
 空夢風音は、目を見開いて、敵ではなく、3段フリルスカートのホワイトライガーに恐れをなして、体を震わせて呟いた。
 サリサの左手からは、彼女の叫び声に呼応するかのように青い霊気が炎のように燃え立ち上がる。

 天が燃える。天がサリサの霊気でキラキラと埋め尽くされる。

 ホワイトライガーの霊気は、ポセイドンを完全に押している。
 海王の槍はスタート地点の天に押し返される。
「これがポセイドン? こんなんが海王の槍!? おい!!!!!!!? こんな天蓋瀑布つまんねーだろうが2mのジジイ!! 天から降りてくる津波がこの程度なのかって聞いているんだよポセイドン! こんなんじゃアトランティスしか沈められないでしょーガ! 瀬織津姫《せおりつひめ》の怒りの方がわたし本気でビビったね! もっと面白い芸よこせ! やり直しだボケ! 楽屋裏に戻れ!!」 
(中略)
「死ね。モロクに刃向かう不遜なるいきがる猫よ。
 この瞬間に生きてるおまえらは……神である我々からすればただ過ぎ去っていく残像でしかない」
 長大な斧を持ち、牛のように突撃するジジイ。


 てな感じで。浮遊大陸ティルナノグが無事な気配がしない。爆発するぞ。大陸ごと。

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