まだ真夏じゃないけど、バックホーンの『楽園』の話。
頭の中にフォルダが有るならば、バックホーンの『楽園』と映画の『太陽がいっぱい』とカミュの『異邦人』は同じフォルダに入ってる。
それは置いといて『楽園』の話。
近未来の世界、そこには現代でいう戦争は存在しない。国際間の争いは1つのショウゲームによって解決される。常夏の島、真夏の楽園で繰り広げられる、戦闘機のドッグファイト、各国の資金と技術力をかけた5機の機体、最後の1機が撃ち落とされるまでそのショウは続けられる。それを駆るのは自国のパイロットか、それとも名うての傭兵か。
騎手達は昼間に命を駆け、夜には酒を浴びる。ある傭兵が、酒場で出逢ったのは敵国の“魔女”だった。明日には命を散らすかもしれない男女は、その命を貪り会う。最後の1機が散った時、生き残ったのはどちらだったのか。どちらにしても変わりはしないだろう。“次”の“夏”には帰ってくるのだから。彼らはこの島の空と暑さに魅入られてしまったのだ。金でも名誉でもない、己のが身の儚さに酔いしれるように。
こんな感じのハードボイルドな話、誰か書いてくんねーかな。