今日注文していた『サロメ』が届いたので、早速読んだよ。
ついでに原語にしてみました。オスカー・ワイルドってアイルランド人なのにフランス語で本書けたんだって。すごい!
サロメっていう綺麗な女の子が、義理の父親である領主に「セクシーな踊りをするから、私の想い人の預言者の首ちょうだい」ってお願いを叶えてもらう話だよ。
読む前のサロメとヘロディアの聖書からの印象は :
サロメ → 人の首欲しがる変な人
ヘロディア → 娘をそそのかす変な人
だったんだけど、それ以上に登場人物たちがみんなとち狂ってて、とんでもないスピードで物語が展開していって、すっごく楽しかった! たくさん笑った!
『カルメン』とか『オペラ座の怪人とか』『ノートルダムの鐘』ファム・ファタールものの、女性たちの人間 (男性や文明社会) の自由にはならない感じがとても好きなんだけど、それともなんだかちがって狂気! って感じ。
サロメは、たぶん現代ならアイドルに懸想してストーカー殺人とか犯しているタイプ。
理想化して即物化することを愛だと思って、殺人による遺体の所有を勝利だと勘違いしている。気持ちはわからないでもない!
書かれた時代的に、なんだか男性みたいな役割をあてがわれているな、とも思った。
登場人物みんな変なんだけど、サロメが思いを寄せているヨナカーン、普通にいやなやつだった。
初登場から彼の口から出るわ出るわ、呪いみたいな預言と罵倒の数々。
サロメも見た目だけに魅了されているからか、二人の対面シーンの間ずっと罵倒されているのに「あなたの唇にキスするわ!」しか言わないの本当に笑う。この二人まともに会話をしていない。
サロメはヨナカーンの中身なんてどうでもいいんだよね。
それか自分に振り向かないからこそヨナカーンに惹かれてしまうのか。
しかもヨナカーン、ヘロデとサロメが会話している時に後ろで騒音みたいに騒いでいてうるさい。
義理のお父さんのヘロデはシンプルにきもち悪い!
義理の娘であるサロメに宴の最中、「さあ、サロメ。果物を食べたらどう? あなたの歯形がついた果物を食べたい」みたいなこと言うし、
「踊りを踊ってくれたら、国の半分をあげる!」とか安請け合いするのに、実際にサロメが踊ってヨナカーンの首を望むと、渋った挙句、押し切られてヨナカーンを殺害するのに、それも後悔して首を抱えてうっとりしているサロメを「こいつ、頭おかしいんじゃない?」って殺す有様。
決断から実行まで登場人物たちが異様に早い。
気のせいでなければ作中の時間一晩しか経ってない!
出てきてたぶん、五分十分くらいの会話で自殺を決意、実行したサロメに恋していた人がいて笑っちゃった。
こちらが感情移入する前に、みんなもう行動が終わっている。バトル漫画なら普通に大負けだ! 「判断が遅い!」って私たち読者が叱られちゃう。
劇場で見たら、少しちがうのかも。
でも、繰り返される月のモチーフに、セリフ自体も宝石がたくさん散りばめられているし、まるでリフレインみたいにたくさん反復されていてきれいだった。登場人物もみんな象徴を圧縮されている感じ。
すごく楽しい本だった。
唯一、なんとなく共感できるのはサロメのお母さんのヘロディアだった!
それ以外みんな変!